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  1. 天理市議会 2017-09-01
    09月15日-03号


    取得元: 天理市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-29
    平成29年  9月 定例会(第3回)      平成二十九年 第三回天理市議会定例会会議録(第三号)---------------------------------------  平成二十九年九月十五日(金曜日) 午前九時三十分 開会---------------------------------------議事日程(第三号)一 日程  日程第一 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------出席議員(十七名)                  一番   加藤嘉久次議員                  二番   廣井洋司議員                  三番   三橋保長議員                  四番   市本貴志議員                  五番   岡部哲雄議員                  六番   東田匡弘議員                  七番   飯田和男議員                  八番   堀田佳照議員                  九番   内田智之議員                  十番   榎堀秀樹議員                 十一番   寺井正則議員                 十二番   大橋基之議員                 十三番   今西康世議員                 十四番   荻原文明議員                 十五番   中西一喜議員                 十六番    欠員                 十七番   仲西 敏議員                 十八番   鳥山淳一議員---------------------------------------欠席議員(なし)---------------------------------------説明のための出席者              市長       並河 健              副市長      藤田俊史              教育長      森継 隆              理事       藤本和巖              市長公室長    山中由一              総務部長     竹株道弘              総務部次長    寺田具視              危機管理監    竹中康仁              くらし文化部長  城内 薫              くらし文化部                       吉川尚光              次長              健康福祉部長   大野篤男              健康福祉部                       米田敏宏              次長              環境経済部長   北門克之              環境経済部                       東  博              次長              環境経済部                       金守和史              次長              建設部長     奥田佳三              建設部次長    東田圭介              教育委員会                       仲谷俊充              事務局長              教育委員会                       西本宣康              事務局参与              教育委員会                       岡本匡史              事務局次長              監査委員                       中田憲良              事務局長              会計管理者    松原眞紀子              上下水道局長   幸田雅晴              上下水道局                       山本雄彦              次長              上下水道局                       岡林 功              次長議会事務局職員ほか出席者              事務局長     阪本 学              事務局次長    松原茂幸              事務局係長    河合宏明              書記       村田 俊---------------------------------------                      午前十時零分 開議 ○議長(大橋基之議長) 休会前に引き続き会議をいたします。--------------------------------------- ○議長(大橋基之議長) これより日程に入ります。 日程第一、一般質問を行います。質問通告が来ておりますので、順次発言を許します。 十七番、仲西敏議員。     〔十七番 仲西 敏議員 登壇〕 ◆十七番(仲西敏議員) 議長の許可を賜りましたので、質問させていただきます。 冒頭、今朝、六時五十七分、北朝鮮がミサイルを発射いたしました。日本列島を飛び越えて、太平洋上に着水したニュース報道が現在も続いております。九月三日の核実験に続く、世界平和への挑戦であります。断じて許すことはできません。北朝鮮のたび重なる核実験とミサイル発射の暴挙に断固反対を表明いたします。 一般質問の通告書に基づき、一問一答方式でさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 質問の件名であります。二つございまして、一つは教育の諸課題について、二つ目が民生・児童委員について、大きくこの二点について質問をさせていただきます。なお、答弁によりましては、質問を深めてまいりたいと思いますので、ご了承のほど、よろしくお願いをいたします。 まず一点目であります。教育の諸課題について。本市児童、生徒の学力・学習状況についてであります。 本年四月十八日に実施されました全国学力・学習状況調査における奈良県の調査結果が八月二十八日に公表されております。報道によりますと、小学校においては、国語のA・B問題、算数のA・B問題、全てにわたって全国平均を下回っとると、このようなことであります。また、中学校においては、国語Bで全国平均を下回っておるというような状況でございます。 また、生徒のアンケートというのか、質問紙調査もございまして、この中で気になる顕著な例、データがございます。一つは、中学校の約四割の生徒が、学校の授業時間以外に読書をしていないというような状況がデータで出ております。また、規範意識、また、自尊意識及び社会に対する関心、そのような項目につきましても、全国平均を下回っとるというような非常に顕著な状況が続いております。 悉皆方式という全員調査の形式で、国語と算数及びアンケート形式で、調査をされておるわけですけれども、当然この調査は目的にありますように、「各学校が、児童生徒の学力や学習状況を把握し、児童生徒への教育指導や学習状況の改善等に役立てる」ものとされております。 全国平均を下回る、奈良県、本市の状況は、どのようなものでございましょうか。いま一度、教育委員会の見解と、それを受けての対策をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。     〔教育長 森継 隆 登壇〕 ◎教育長(森継隆) 十七番、仲西議員の御質問にお答えいたします。 本年四月に実施いたしました全国学力・学習状況調査の結果が文部科学省より過日公表されました。小学校においては、平均正答率は二ポイントから四ポイント、全国及び県平均を下回っておりますが、どの教科も昨年度に比べ正答率が上昇し、国や県との差が縮まっております。一方、中学校においては、全体的に見て、昨年度とあまり変わりはなく、応用力をはかるB問題の正答率がA問題に比べて若干低い結果が出ております。 このテストへの対応といたしまして、この結果をもとに、先日、各校の管理職等を集めて、結果報告会を開催いたしまして、改めて児童生徒の生活習慣や家庭学習習慣の定着、自己肯定感の向上、教師の授業力向上という取り組みの重点を確認し、各校の状況に応じた取り組みを推進するよう指示いたしました。 今後、さらに詳しく、市全体の傾向を分析するとともに、各校においても、今回の結果を分析し、教職員全体で共通認識するような研修会の機会を持ち、具体的な対策、特に、計算や漢字の読み書きなどの基本的な反復練習に重点を置いた取り組み等を推進することを各校で徹底していきたいと考えております。 また、今年度から基礎学力の底上げを目指して、各校で取り組んでおります放課後学習の状況ですが、小学校においては各校、月一、二回、外部指導者と教師が連携して、放課後学習を実施するとともに、夏休み期間中も各校の状況に合わせて学習会を開催しております。中学校においても、定期テスト前に、質問教室を開設したり、部活動の休養日を活用した学習会等を実施しております。また、夏休みには自習教室として教室を開放しております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。 いろいろ取り組んでおられるということはわかりました。ただ、昨年に続いて今年もという、近年、非常に学力の客観的全国データでこのような状況になっておるというようなことで、私が思いますのは、一生懸命取り組みをされておるけれども、なかなか結果に反映されない、状況が反映されないと。 やっぱり昔、私が子供のときは、奈良県というのは非常に教育県やと、何も産業がないけれども、人づくりではすごく私らも自信もあったし、奈良県の教育というのは非常に素晴らしいもんがあったように、私は感じております。今、なぜこのようになったんかなというようなことで、非常に危惧をしております。去年に続いて今年も、客観的成績としては非常によくないというようなことで、その辺をいま一度市民に安心を与えるために、教育委員会の取り組みについてもさらなる見直し、検証が必要じゃないかなと、かように思いますけれども、お答え願えますか。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 奈良県の学力が若干落ちているような趣旨の発言をお聞きしましたが、平均というものでございますので、相対的な考え方もございまして、他府県が上がったのに奈良県の上昇具合が下だと私は考えておりまして、県全体が教育県としての地位がなくなったものではないと考えておりまして、奈良県も天理市のほうも教育に力を入れております。 また、市民に向けてということでございますが、まず学校のほうで、先ほど言いましたように、家庭学習習慣とか、生活習慣、そして自尊感情の肯定のほうをしっかり高めていきたいということで、保護者のほうには伝えてまいりますが、市民のほうには機会があれば話はしていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ぜひ、取り組んでいただきたい。人材の確保は要請というのか、子供たちは地域の宝でございます。教育の果たす役割って非常に重いものがありますので、頑張っていただきたいと思います。 続きまして、次の質問項目でございます。学習環境の整備ということで、これも学力向上と教育の、子供たちの育みに非常に大きな要素でございます。私は子供の頃に、エアコンなしの暑い教室を当たり前のように過ごしてきた世代でございます。そして、今もエアコンは普通教室にはございません。汗だくになりながら教職員も子供たちもともに学習しております。 一部、東京都などは、もう一〇〇%というような地域もございます。奈良県が二〇一四年の時点ですけれども六・一%。これはもう全国平均も下回っとるんですね。非常に低いエアコン設置率。このように、エアコン設置で教育格差っていうのは、国民の教育の機会均等から考えたら、非常に問題があるんじゃないかなと私は思うんですけれども。 今、普通教室のエアコン設置について、設置事業の内容についてお聞きをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 今回の補正予算のほうで、空調機器に関する基本設計と申しますか、設計のほうの補正予算を上程させていただいております。 あとは空調機器を設置できた場合でございますが、その場合につきましての考え方ですが、もし設置できた場合には夏休みを短縮して授業時間を確保したいと考えておりまして、子供たちにとって、さらによりよい学習環境ということで有効利用していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。 教育長から、非常に大きな変化というか、教育条件整備に向けての大英断やと思います。財政に与える影響も大変大きいもんがあろうと思いますけれども、ここまで決断をされて、普通教室にエアコン設置をされるというようなことをお聞きしました。本当に頑張っておられるなと思います。 やはりこの夏季のシーズンにおける教室環境というのは、子供たちの勉強、学習、また活動にとっても、非常に厳しい状況でございます。特にエアコンという空調を入れることによって、教育環境が格段によくなるんじゃないかなと私は思います。 その費用対効果ですよ。これだけの財政的負担っていうのはかかるわけですから、それを投入して、やっぱり市民に対してそのメリットをきちっと伝えてほしいなと。もっと大きく積極的に。やっぱりそれは教育の責任者という教育委員会が、やはりそれだけの教育条件整備をやるんやと。それに伴って、子供たちは環境のよい所で勉強できると。だけど、それだけでは駄目なんですね。そこにはやっぱり学校の設置者の教育委員会が責任を持って、恵まれた教室環境の中で、取り組みをきちっとやっぱり市民に対してアピールする必要があるんじゃないかと。 例えば、今、教育長がおっしゃったような夏季休業の扱い方、また短縮授業の時間の扱い方、また来年二〇一八年四月からは英語の教科化が先行されるということで、五、六年生の授業時数を一コマ確保しなければならないと。この辺のことも教育過程上の工夫によって、もうちょっと授業時数の柔軟な運用は可能な状況になってくるんじゃないかな。私はかように思いますけれども、その辺のところは教育長、どのようなご見解をお持ちなのか、お聞きをしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 議員の御質問にお答えいたします。 空調機器のほうは設置した場合という仮定で話させていただきます。あくまでも、まだそういうことで御了解願いたいと思います。 短縮の授業というものを、今、現在行っているわけですが、それを廃して授業時間確保とかも考えられますし、夏休みの短縮というのも考えられますが、これから先生方とかいろんな方と議論して、先ほども申しましたように、子供たちにとってよりよいものを提供していくというのが我々の使命と考えておりますので、その辺を御理解していただきたい。有効利用のほうはさせていただきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 選択する幅というか、いろんな取り組みができる環境が、一つレベルが上がったと思います。学校の教職員による取り組みとあわせまして、やはり地域に開かれた学校として、夏季休業期間中、短縮期間中も含めまして、やっぱり地域の人材を、そこに、やはり地域と学校の連携を、そのいろんな取り組みができる環境が一つ備わったんじゃないかなと思います。 それで次の項目でございますけれども、地域と共にある学校づくりというような項目でございます。地域学校協働活動。 これは平成二十九年、今年の三月に社会教育法が改正されております。そこでは、幅広い地域住民等の協力を得て、社会総がかりで教育を実現する。地域の宝である子供たちの教育を、育みをすること、地域がそれにつながることで、地域も活性化につながるんやと。そういうふうな法の趣旨でございます。 それを受けまして、今、現在、取り組んでおられる奈良県の学校・地域パートナーシップ事業がございまして、地域学校協働活動という、そういう取り組みの状況と、この成果、大きいものがあると思います。また、いろんな面では課題もございます。あわせて、教育委員会の所見をお聞きしたいと思います。
    ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 議員の御質問にお答えいたします。 本市では、平成二十五年度から、地域の人々が学校運営に参画し、学校と協働することにより、地域と共にある学校づくりを進め、未来を担う子供たちの成長を支える地域教育力の向上及び地域の活性化を図ることを目的に学校・地域パートナーシップ事業を展開しております。学校が核となって地域コーディネーターと連携しながら、多くのボランティアの方々が、学習支援や授業補助、挨拶運動、登下校の見守り、読み聞かせや図書室の環境整備、クラブ活動指導、郷土学習、地域行事への参加、学校周辺環境整備等の活動を行っていただいております。 また、平成二十七年九月から、土曜日の教育活動としてサタデースクール、平成二十八年度からは、中学生の放課後等の学習機会である地域未来塾も新たに始めました。 そして、今年度、地域と共にある学校づくりを一層進めるため、今まで以上に幅広い層の地域住民、団体等が参画できる緩やかなネットワークを総合的に調整する枠組をつくる地域学校協働本部を整備しております。 成果につきましては、さまざまな活動の積み重ねにより、地域と学校の連携が一層深まり、地域と学校が連携・協働し、社会総がかりで教育を行う下地ができ、未来を担う子供たちの成長を支える地域教育力の向上及び地域の活性化を図ることができつつあることです。 例えば、福住の土曜スクールでは、地域が主体性を持った取り組みが、地域の人材発掘と支援者の拡大にもつながっております。参加した大人も感動を得る地域の魅力を発信する場にもなっています。 また、櫟本では、地域の教育力を生かした放課後学習塾、まちか塾を本年度から公民館で実施しています。学校との協働、地域の活性化として素晴らしい取り組みです。 さらに、中学校では、早朝や放課後、長期休業中に地域未来塾を実施しており、勉強したいという意欲を持つ生徒が確実に増えてきています。また、三年生の進路決定に当たって、適切な助言の機会としても役立っています。 次に課題についてですが、一つ目は、事業を担っていただける地域人材の確保です。二つ目は、学校が管理する組織のままでは、校長の異動や地域コーディネーターの引退による組織力低下が懸念されています。これらの課題への対応を進めてまいります。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。 非常に多岐にわたって、いろいろ取り組んでおられるというようなことをお聞きしました。 全国でこのような法律も受けまして、その前からあると思いますけれども、いろいろ取り組みがなされておるというようなことでございます。学校の教職員の負担を、そのような直結するようなところではなくて、地域が総がかりで子供たちの育みを行うという取り組みでございまして、非常に全国的にもいろいろございます。 宮崎県都城市山田中学校支援地域本部では、お祭りなど地域の行事へ積極的に子供たちが参加しとるんですね。参加、参画をしとる。自分ら、子供たちがお祭りの行事も、みずからつくっていくような地域づくりに直接直結をしておる。そういう事例もございます。 それから、高知県南国市稲生地域学校協働本部。これはもう、PTAがPTCAという、PTAの間にCを入れてコミュニティー、地域を意味するコミュニティーを追加してPTCAの組織づくりと。 やっぱり、どのようにして地域を巻き込んでいくんやというような取り組みが、全国で本当に地域の特色を受けて、さまざまなことがなされております。 私は本市の取り組みも、教育長の答弁がございまして、非常によく理解できました。でも、まだまだ僕は伸び代、やることがいっぱいあるんじゃないかなというふうに思います。そこでやっぱり地域のコーディネーターが果たす役割も非常に大きいと。その辺のところを、いま一度、先進地事例も参考に、今後の取り組みについて見解をお聞きしたいと思います。 例えば、学校評議員がございます。それがなかなか、地域が見えないんですね。評議員の方が誰や言うても、なかなか見えない。例えば、民生委員、児童委員さんっていう方がおられます。評議員に入っておられる方もございますけれども、いや、そういう方が入っておられない所もあるように聞いております。地域の人材をもっともっと活用することによって、地域と学校との接続が非常に大きなパイプになるんじゃないかな。地域の人たちが生きがいをそこで見出せるような、そういう取り組みについて、いま一度、教育長の御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 子供たちの成長を支え、地域を活性化するには、自分たちの地域の課題に、地域の住民がいかに主体的にかかわり、取り組むのかをみんなが理解しながら事業を展開していくことが必要です。 そこで、今後は、事業推進のキーパーソンには、これまでどおり、県主催のリーダー研修地域コーディネーター研修等の研修会に参加していただくのはもちろんでございますが、市レベルの運営委員会を設置して、市教委から、地域学校協働活動に関する取り組みや、理解促進の情報を提供したり、各本部の取り組みの交流や協働活動の推進・充実のための具体的な方策について話し合ったりして、各本部にふさわしい地域学校協働活動を、円滑かつ効果的に推進することが重要かつ不可欠だと考えております。 そして、子供たちの学びをどうすれば充実できるのか話し合う中で、地域住民と学校との信頼をより一層高めるような、持続可能な関係性の構築を目指してまいります。 また、地域パートナーシップで御協力をいただいている主任児童委員及び民生児童委員の方は七名でございます。今後も連携を密にして取り組みを進めてまいりたいと思っております。 また、学校評議員に就任していただいている方は、幼稚園で七名、小学校八名、中学校一名でございます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 次に移ります。地域人材の活用のところでございます。 資源の少ない我が国においては人材こそが国の宝でございます。新しい時代を切り開くたくましい人材を育てることができるかどうかが、我が国、また奈良県・天理市の将来を左右することになります。 子供たちが家族との触れ合いを持ち地域社会との連携を深める中で、学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たしながら子供を育てていくことが大変重要でございます。 例えば、奈良県のコミュニティーチャーという、これは高等学校の取り組みでございますけれども、これは教員免許がなくてもボランティアでやる非常勤講師というようなことで活躍をされておるように聞きます。 文科省の来年度予算でも、いわゆる学力向上を目的とした学校教育活動支援というようなことで項目が挙がっております。退職教職員、教員志望の大学生の人材、児童生徒の学習サポートや進路指導・キャリア教育等のための配置に交付金をつけると、補助金をつけるというような動きもございます。 地域人材の活用を、教育委員会としてはどのように捉えられておられるのか、御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 御質問にお答えいたします。 教育支援活動の現状のほうをお答えさせていただきたいと思います。 平成二十八年度の実績は、市内全ての小中学校で実施しまして、地域学習支援、読み聞かせ支援、栽培活動支援だけでなく、外国語活動やクラブ・部活動の支援、家庭科実習支援、体育学習支援といった学校の授業に関わっての支援も行われており、市内全体で延べ五十名の地域の人材が五百回余りの活動に参加していただいております。 また、今年度からは、基礎学力の定着と家庭での学習習慣の定着を目指した放課後学習会等が各校で開催されるに当たり、今まで以上にたくさんの地域人材や教員OBの方に、教育活動に参画いただいております。 しかしながら、まだまだ限られた人材で活動していただいている校区もありますので、地域学校協働活動とも連携した取り組みを推進し、人材の確保に向けて、学校通信等で地域に呼びかけるとともに、人材リスト等も作成して、引き続き人材の確保に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 先進事例の紹介でございますけれども、この近くで言うたら京都市嵯峨小学校放課後まなび教室というのがございます。これは本当に地域の力で子供たちの学びを支援されておられます。目的は自学自習の習慣、学力の定着でございまして、放課後、週五日、月曜日から金曜日まで実施されておる。平成二十七年度は、年間百七十六日も実施をされておるわけです。 教室に来た児童は、参加カードを提出します。宿題や自分の課題等に取り組みます。終わったら読書やゲームをしています。スタッフは、小学校の元校長及び元教職員、それに地域の方々が十名で構成されて、ローテーションを組まれて、連携・協働して安定した教室運営を行っておられる。こういう地域もあります。 今、現在、放課後学びタイムということで取り組んでおられますけれども、教職員が主に担っておるというようなことで、教職員の負担っていうのは、非常に大変なものがございます。やはり地域の方々、また教職員OBの方をいかに学校の教育、学びの所へ接続していくかという、その取り組みというのは非常に本市にとっても大変重要かなと思います。教育長の御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 放課後学習につきまして、外部人材でございますが、先ほども申しましたように、学校通信で地域に呼びかけるとか、退職された先生方へ呼びかけをいたしておりまして、今後、また協力していただけると考えております。 また、地域連携としましては、地域学校協働本部がより一層効果的に機能を発揮していくことが必要となってきますので、そのためにも、それぞれの地域や学校における実情や特色に応じた体制整備が進められるよう、教育委員会といたしましても、先ほど教えていただきました先進地域の取り組みについて研究を重ねてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 次の項目でございます。 家庭教育支援。これは主に不登校児童生徒への支援の取り組みというところで、お聞きをしたいと思います。 御案内のとおり、不登校というのは、取り巻く環境によっては、どの生徒にも起こり得るといわれております。また、不登校とは、多様な要因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を問題行動というような、そういう判断は駄目なんやと。不登校児童生徒が悪いという偏見を払拭し、学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い理解する姿勢を持つ。自己肯定感を高めるためにも重要でございます。周囲の大人との信頼関係を築く過程が、社会性や人間性の伸長につながり、児童生徒の社会的自立につながることが期待をされております。 本市の教育総合センターのほうでやられていると思いますけれども、家庭教育支援の取り組み状況と課題についてお尋ねをします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 不登校状態の児童生徒及びその保護者や家庭への支援の状況についてですが、平成二十八年度、市内の小中学校において年間三十日以上の長期欠席者で不登校状態であると思われる児童生徒の数は、小学生七人、中学生四十六人です。 各小中学校では、不登校の未然防止及びその対応に全校体制で当たっており、効果を出すため教育総合センターと連携した取り組みを進めております。 教育総合センターで行っております児童生徒及び保護者・家庭支援の代表的な取り組みの一つ目は、教育相談でございます。子供本人や保護者・家庭の方、教職員の相談を受け、子供と学校をつなぐための教育相談やカウンセリングを実施しております。昨年度相談件数百三十七件、延べ相談回数は一千百九十一回を数え、中でも不登校に関する相談は半数を超えている現状でございます。 二つ目の取り組みといたしましては、適応指導教室での取り組みがございます。これは、さまざまな理由で学校生活への不適応を起こし、不登校となった児童生徒が学校に登校できるようになる中間的な施設、心の居場所として平成十一年度に開設されたもので、平成二十四年度からは中学生を対象とした学科指導教室も開設しております。 また、平成二十七年度より、新たな取り組みとしてチャレンジタイムを設け、再登校や苦手な学習、やってみたい活動に挑戦する機会も設けております。現在、小学生三名、中学生が十三名通室しております。 取り組みの三つ目として、ゆうフレンドの派遣です。不登校状態の続く、天理市在住の児童生徒に対して、家庭支援の一環として、児童生徒の兄や姉に相当する年代の大学生のボランティアが、各家庭や学校を訪問し、本人の話し相手となったり、一緒に遊んだりするなど心の触れ合いを深め、自立への援助を行っており、今年度八月末現在、家庭派遣が二名で三十二回、学校派遣が、三名の学生さんで二十一回行っていただいております。そういう状況でございます。 そして課題といたしましては、先ほども申しましたゆうフレンドの派遣事業においては、現在、天理大学の臨床心理学専攻の院生及び学生を中心に十九名がゆうフレンドとして登録しております。しかしながら、現状では五名の派遣にとどまり、各御家庭に第三者が入っていくには、まだまだ高いハードルがあるように思われます。 今後より一層このような取り組みを進めていくに当たって、子供や家庭と学校をつなぐために、先ほど申しました教育相談及び特別支援教育相談の果たすべき役割はさらに大きくなってくると考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 時間がございませんので、いろいろ聞きたいこと、ございましたんですけれど。今、教育長からお聞きました不登校の子供たち、いろいろ本市は取り組んでおられると。非常に敬意を表したいと思います。 ただ、いろんな課題の中で、私が思いますのは、やはり指導員の量的不足や専門性の不足等についての課題があろうかと思います。常勤職員やカウンセラー等の専門家等の拡充、指導員の研修の充実等が、非常に必要なところでございます。財政的な負担も発生すると思いますけれども、一人一人の子供たちの育みをきちっと担保するというようなことでございますんで、その辺はきちっと理事者のほうでやっていただきまして、人的、これもソフトの面でございます。人的な面での拡充をきちっとやっていただきたいなというふうに、これは要望でございます。 続きまして、大きな項目の二点目でございます。民生・児童委員につきまして、質問をさせていただきます。 民生委員制度ができて、本年が百年目に当たるんですね。七月に全国大会が行われました。そこで一つの節目で、いろいろ民生委員の全国の組織も大きな転換期ということで、時代状況に応じた取り組みをアピールされております。 それに関連しまして、本市の民生・児童委員の制度、それとあわせて民生・児童委員の活動状況、これについてお答えをいただきたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野篤男) 質問にお答えいたします。 民生・児童委員の設置につきましては、民生委員法及び児童福祉法により、市町村の区域に配置するとあります。民生・児童委員は、都道府県知事の推薦により、厚生労働大臣がこれを委嘱し、身分については、非常勤の特別職の地方公務員とされております。 本市におきましては、民生・児童委員が百三十八名、主任児童委員が十四名で、計百五十二名おられまして、日々地域の活動に取り組んでいただいております。 また、民生・児童委員はそれぞれの地区、本市には六地区ございますが、民生・児童委員協議会にも所属されています。 活動費は、組織的活動費と地区の組織人数により負担する委員活動費及び地区別加算額があり、それぞれ県、市より負担するとともに、自主活動における補助金等で活動されております。以上でございます。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。 多くの市民の方が、日夜、民生委員活動に当たっておられるということで、大変敬意を表したいと思います。 質問でございますけれども、この民生・児童委員の方の活動の支援というような面でございます。本市の取り組み状況、その中で支援の活性化とか、いろんな地域包括がございまして、生活困窮者自立支援も、いろいろ法律、いろんな制度があって、さまざまな仕事がものすごく多岐にわたっておる。このような民生・児童委員の方へのサポートというのか、その辺の状況と、また、子供や子育て家庭への取り組みも含めまして、市、行政としての見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野篤男) 申し訳ございません。先ほどのところで漏れたかもしれません。活動の部分でございますが、民生・児童委員の活動範囲としましては、各担当が当該区域を担当され、区域内の住民の相談支援に当たられます。 民生・児童委員の職務としましては、住民の立場に立つことが基本姿勢で、守秘義務を守りながら、担当区域内の住民の実態や福祉ニーズを日常的に把握するアンテナ的な役割、住民の個別相談に対応する世話役としての役割、福祉の内容や情報の収集に努め、住民に提供する告知板の役割、住民の福祉ニーズに対応した適切なサービスの提供が受けられるよう、行政機関、関係機関等と調整するパイプ的、潤滑油的役割、地域における生活支援の役割、住民のニーズの代弁者としての役割など、多岐にわたっております。 民生委員が児童委員を兼ねているということに関しましては、民生委員としては従来から特定の区域を担当し、高齢者や障害をお持ちの方など、家庭訪問などを通してその情報収集を行い、ニーズに応じた福祉・サービスなどの情報提供等を行っていますが、同様に地域での児童を取り巻く環境におきましても、子育てへの不安や子どもにかかわる諸問題等に相談・支援できるように、環境の状況を把握し、情報提供や援助、指導ができる体制づくりと地域で子供を守り育てる機運を醸成するといったことが、児童委員の役割として位置づけております。 次に、本市の取り組み状況、支援の包括的なことでありましたり、子育て家庭への取り組みということでございますが、本市の取り組み状況については、地域の生活支援づくりとしまして、従来の民生・児童委員の皆さんの活動とあわせて、地域の独居高齢者の見守り活動や、生活におけるさまざまな問題や悩み、困っている方の相談を受け、加えて、地域ケア会議に積極的に参加していただいています。これは地域の高齢者を地域で支えていくための活動として取り組みます地域包括ケアにつながっていく活動として、今後も継続して取り組んでいきたいと考えています。 また、行政、特に福祉行政にかかわって、市とのパイプ役としても活動されていますが、生活困窮者自立支援法が平成二十七年に施行され、近年は生活に困窮されている方とのパイプ役としての役割も担っていただいております。 子供や子育て家庭への取り組みとしましては、学校・園との連携をより密にし、学校評議員の一員としての活動を通して、児童虐待防止を初め、児童の安全確保に努められております。また、こんにちは赤ちゃん訪問事業などを通じて、子育て支援を進めるとともに、青少年の育成を支援する取り組みもされております。先ほどもおっしゃっていただいたように、今年度は民生委員制度百周年ということで、その記念に伴い、絵本でつなぐ笑顔の活動事業として絵本の配布活動などもされております。 地域で活動される民生・児童委員と学校等との連携は非常に重要であるということは言うまでもありません。これまでも、学校の各種行事等にも積極的に関わっていただいており、また、学級活動への参加などをされています。 例えば、学校評議員としての学校とのかかわりについては、中学校では四校のうち二校、小学校については九校のうち七校、幼稚園に関しましては八校のうち八校ということであります。また、小学校との懇談会の実施や校門前での挨拶運動の実施、小学生対象に民生・児童委員の講習会等が行われています。 引き続き、学校、園との連携・協働をより密にしながら、また、市の担当部署も加わり、子ども、子育て家庭を守る取り組みを進めていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。 さまざまな多岐にわたっての取り組み、また市行政のいわゆるサポートも、いろいろよくわかりました。 次の項目でございますけれども、民生・児童委員協議会のことに移らせていただきます。御案内のとおり、民生委員法第二十条がございます。これは「民生委員は、知事が市町村長の意見をきいて定める区域ごとに、民生委員協議会を組織しなければならない」。第二十四条、民生委員協議会の任務を定めた規定。この二つの条文がございます。これは法定単位といって、法律的根拠に基づく組織でございまして、これが最も住民に近い所での民生委員の方たちの組織的な活動の基本中の基本でございます。これを、いま一度、私もいろいろ勉強させていただきました。 その辺を、今、現状をお聞きしたいということと、その現状の中でいろいろ地域と、なかなか小学校区がまたがる、いや、小学校区だけにとどまらない、複数小学校区で組織されておられる地域もございまして、その辺のことを踏まえて御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまの仲西議員によります法定単位民生・児童委員協議会についてのお問い合わせでございますが、本市では、現在地区を六つに分けておりまして、丹波市・山の辺校区を合わせて丹波市地区協議会。また、前栽・二階堂・井戸堂校区で二階堂地区協議会として一つ。櫟本校区、朝和校区、柳本校区、福住校区をそれぞれ一つの協議会として、六つの地区として割りまして、この六地区が地区民生・児童委員協議会として組織をされているところでございます。 地区の民生・児童委員協議会は、おひとりおひとりの民生・児童委員を会員とする組織でございまして、個々の活動を支える役割を果たす組織であると認識をしております。 各地区協議会の取り組みといたしましては、月一回の定期会議の開催、各種研修会の実施・参加、活動啓発のための広報活動、介護施設への訪問、高齢者・独居高齢者宅の訪問・見守り、共同募金活動、歳末助け合い募金活動など、非常に多岐にわたって中心的に役割を果たしていただいておりまして、この事務局を社会福祉協議会が担わせていただいているところでございます。 小学校区との関係についてでございますけれども、本市の場合は町村合併がなされて天理市が成立をいたしました。その合併時のもととなった六町村の単位を引き継いだ形で組織され、活動されているところでございます。 現状、住民・地域との協働連携ということになりますと、行政施策においては、各小学校区と連携して取り組みを実施する内容も多くございまして、高齢者施策、子どもの通学の安全、人権教育、あるいは地域防災活動等々、さまざまな活動が小学校区を単位として行われているのが本市の状況でございます。 また、地域のお祭りですとか運動会、こういったさまざまな行事・集会等の活動も小学校区単位で行われています。これにかかわっていく民生・児童委員も小学校区単位で活動することは、より合理的で望ましいというふうには考えております。 民生・児童委員の皆さんが、相互に綿密な連携を図りながら諸問題に対応していけるよう、地域の実情に則した区域設定を行うことが社会福祉の充実の促進にもつながっていくというふうにも考えております。 過去、平成十八年及び平成二十六年の二回にわたりまして、民生・児童委員協議会からの御要望もあり、本市の実情を考慮する区域設定について県に要望書を提出してきたという経緯がございます。結果、長年の懸案でありました主任児童委員の一名の増員、これは認められまして、特に二階堂校区において校区の中にその主任児童委員がいらっしゃらないという状況は解消されたわけなんですけれども、地区割りにつきましては、国の事情や、あるいは配置基準を満たした人員等の理由で現状のままという回答でございました。 この問題については、引き続いて課題として受け止めておりますので、次回改選時に向けて、天理市民生・児童委員協議会と議論を重ねていきたいと、かように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) 市長、ありがとうございます。 課題として捉えていただいております。非常にメリットが大きいと思うんですよ。ただ、例えば、金沢市とか福井市なんかでは、本当に社協も地域であるということなんですね。大きい町やからそうかもわかりませんけれども。それと小学校区が密接不離につながってくる。例えば、本市で言えば区長会。区長会は、やっぱり各区長さんの集まりでございます。民生・児童委員さんも、区長さんが推薦されるわけですね。基本は三年間、民生・児童委員さんをお務めなさると。当然、出どころは各大字であり、理事会なんですよ。それが組織をされている民児協が、今、市長が言われました課題として捉えられておる。よくわかります。その辺を課題克服に向けて、いろいろこれから行動をお願いしたいと思います。 あわせまして、そうなれば、また新たな挑戦というんか、新たな展開が見えてくるんですね。これは、今、本市の強みとして、私も三月に一般質問を定例会でさせていただきました。地域に小学校区を基本に十二館、直営で三十人の職員さん、配置をされておられます。これは他の先進事例では民児協の事務局を担っておられる所もございます。 例えば、公民館活動の中で福祉に対しての市民サービス、地域のサービスを行うとなれば、これは公民館の直営でございますんで、やはり職員の方もおられて、今、民児協というのは基本的に大きい、天理市全体も含めて各地区六つはございます。これは一つの社協でいろいろサポートされております。社協のやられている方、この仕事も非常に複雑多岐で大変な状況というのも聞いております。 私はこれで提案したいのは、やっぱり小学校区単位というふうに課題を共有する前提であるならば、公民館の職員の、やっぱりその施設と職員さんを、民生・児童委員さんの民児協としての地域の包括として、福祉と教育の、その地域人材として、非常勤公務員としての民生・児童委員さんの活用と、民児協のさらなる取り組みに向けて、きちっとその辺のサポートがはまるんじゃないかな。それのいわゆる人件費、人・物・金の有効活用にもつながるし、また地域づくりにも、地域の住民が入ってやられていますんで、それは非常にもう大きな一石二鳥、三鳥、四鳥の大きな取り組みが見えてくるんじゃないかな。かように考えております。 いま一度、市長の御見解をお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 民生の皆さんと、その地域とのかかわりでございます。民生・児童委員の皆さん方が、まさにさまざまな課題を抱えた皆さん方の支援、あるいは高齢者等の要援護者の見守り支援、そして福祉・保健・医療・教育等、さまざまな分野において密接にかかわっていただいている中で、現状といたしましても、公民館を初めとする校区との連携・協力を非常に密にとっていただいております。 先ほど教育長のほうから説明させていただきました櫟本の取り組みなどにも民生の皆さん、かかわっていただいておりますし、また山田を初めとしていろんな所で高齢者の方々をお招きした食事会、この孤立対策というようなところにも、民生・児童委員の皆さんが地域の長寿会等と連携をしながら、そこに当然、私どもの公民館の職員も一緒になって協働作業というのをやらせていただいておりまして、今後ともその地域一体となったさまざまなきずなづくりの取り組みについて役割を果たしていただけるように、体制をとっていくことは非常に重要であると考えております。 一方で、民生の皆さん方には、やはり専門性、あるいはその守秘義務につながるような活動の部分もございますので、その今、全体の事務局を社会福祉協議会が担っている中で、適切な役割分担というところについては、今後とも地域の実情を見ながら、さらに議論を深めていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 仲西議員。 ◆十七番(仲西敏議員) ありがとうございます。さらなる取り組みをお願いしたいと思います。 最後に、これは私の意見ということで聞いていただいたら結構なんでございますけれども、民生・児童委員さんの奉仕愛、隣人の愛、それと住民との信頼関係、住民視点の活動、この三点は永遠に不滅であります。今後、社会情勢等が変化し、時間が経過をしましても、全ての民生・児童委員さんの方々の心のよりどころとして引き継がれていくものと確信をいたします。我が国に民生委員制度が生まれて百年目を迎えられ、日々地域福祉に、教育の福祉に貢献されている市内の全ての民生・児童委員の皆様に深く敬意を表明いたします。 以上で質問を終わります。御答弁をいただきました項目内容につきましては、検討等も含め、今後確実に取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、降壇をいたします。 ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 次に、十一番、寺井正則議員。     〔十一番 寺井正則議員 登壇〕 ◆十一番(寺井正則議員) 議長の許可を得まして、質問通告書により一問一答方式で一般質問をさせていただきます。理事者並びに関係部局におかれましては、適切で前向きな答弁をよろしくお願いいたします。 今回の質問は三件ございます。まず一件目は小中学校におけるプログラミング必修化について、二件目は公立学校等の避難所機能の強化について、三件目は住宅セーフティネット制度についてであります。 まず初めに、小中学校におけるプログラミング必修化についてであります。教育の諸課題については、先ほど同僚議員のほうからありましたが、私は項目を絞ってお尋ねをしたいと思います。 インターネットの単なる普及にとどまらず、インターネットを活用したIoTの活用分野の拡大。このIoTとは最近よく出てくることでございますが、Internet of Things。今まではパソコンとかスマートフォン、こういう情報機器のインターネットということでございましたけれども、これからは物のインターネットということで、いろんな物にもインターネットが活用されていくということでございます。 また、自動車の自動運転をも可能とするAI、いわゆる人工知能の開発など、近年におけるIT技術の発展は著しく、第四次産業革命とも呼ばれる大きな転換期を迎えております。 新たなニーズに対応し得る人材の確保は世界的にも共通のものとなっており、我が国においてもグローバルに活躍し得る人材を育成する上で、ITスキルの向上は不可欠なものでありますが、二〇一六年に経済産業省が発表した資料によりますと、二〇一五年時点でIT人材不足数は約十七万一千人、二〇三〇年には最大で約七十九万人が不足すると試算されております。 二〇二〇年にプログラミングが小学校において必修化されることに伴い、各都道府県教育委員会において、人材育成、指導内容等について、独自に試行錯誤を繰り返しております。 一般家庭におけるIT機器の普及は著しく、児童生徒たちは幼少期より一定程度IT機器に接することが珍しくない状況の中で、職員に求められる技能はおのずと高いものとならざるを得ない状況であります。 このことから、近年、特に顕著となっている教職員の多忙化に拍車をかけることとなりかねず、外部人材の活用など、人的あるいは財政的支援が必要となることが予想されております。 また、小学校でのプログラミング授業を先行実施している一部基礎自治体、例えば千葉県柏市などにおいては、先行して実施されているものとの整合性など、既に幾つかの課題があるともいわれております。 次期学習指導要領では、グローバル化・情報化が進む中で、主体的に対応し、未来を切り開く資質や能力の必要性がうたわれ、とりわけ、情報活用能力等の育成は急務であります。また、アクティブラーニングの視点からもICT環境の充実を図る必要があります。 そこで数点、お尋ねいたします。 児童・生徒向けタブレット端末の配備や、各学校のWi-Fi無線ネットワークの整備の状況などは、どのような状況か、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。     〔教育長 森継 隆 登壇〕 ◎教育長(森継隆) 寺井議員の質問にお答えいたします。 タブレット型PCの配備状況につきましては中学校で北・南・西中学校各四十一台、福住中学校二十一台の合計百四十四台、小学校で前栽小学校十五台、福住小学校五台、他の七校で各十台の合計九十台となっており、Wi-Fi等の無線LANは多くの教室で使用できるようになっております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 次に、教職員のこのITに対する能力が求められるということでございますが、教職員の技能研修等はどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 教職員の指導力向上についてでございますが、プログラミング教育の実施に当たっては、プログラミング的思考を大切にしたいと考えています。研修会を開催し、教職員個々のスキルアップを目指した取り組みを進めるだけではなく、地域・社会と連携・協働し、さまざまな人的・物的資源を生かしながら実施することも必要となってまいります。 そのため、教育委員会といたしましては、プログラミング教育の意義等を社会と学校が共有し、実施に当たって、外部から学校をサポートしてもらいやすい体制の整備や地域人材の掘り起こし等を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 今、教育長がおっしゃいましたように、これからは地域社会と連携・協働し、さまざまな人的・物的資源を生かしながら実施していくことが必要になるということです。 今、まさに日本の国は高齢化、超高齢化社会になっておりまして、もうすぐ二〇二五年問題といわれますように団塊の世代の方はあふれてきている状態でございます。そんな中で、やはりいろんなITの企業にお勤めになった方、また行政の経験のある方、さまざまな方がおられますので、今、教育長がおっしゃいましたように外部から学校をサポートしてもらいやすい体制の整備、地域人材の掘り起こし、しっかりやっていただいて、どうか団塊の世代のいろんな埋もれた人材、社会のために貢献したい、なんかしたいという、そういった心ある人材を活用することに積極的に取り組んでいただきたいと思います。 次は、本市において、プログラミング教育の必修化に向けて、具体的にはどのように取り組んでいかれるのかお尋ねしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 教育長。 ◎教育長(森継隆) 質問にお答えいたします。 プログラミング教育の必修化への対応についてでございますが、現在、市内の小中学校においては、次のような目標のもと、情報教育を推進しております。自然や人、物、地域とかかわる中で、問題解決に必要な情報を主体的に収集し、それらを適切に処理・判断し、分かったことや考えたことを、情報機器を活用して発信したり交流したりする能力を育てる。次に、児童生徒に情報モラルを身につけさせ、情報手段を適切に活用できる学習活動の充実を図るということでございます。 今後は、次期学習指導要領等で提唱されているアクティブラーニングの手法を用いた、主体的・対話的な深い学びの視点に立った学習活動において、ICT等を効果的に活用した学習が行われることを通して、情報活用能力の育成が求められてきています。 天理市においても、児童生徒がプログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけさせるための学習活動を展開していく必要があります。 今後、二〇二〇年度の必修化に向けて、ICT環境の充実を図るとともに、教材の開発や教職員研修・指導体制の充実や、企業及び地域人材との連携・協働について、先進地域の事例を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 今、教育長がおっしゃいましたように、プログラミングの必修化に向けて、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 次に、公立学校等の避難所機能の強化についてであります。総務財政委員会におきましても、事前防災の重要性、また女性の視点を活用した防災ということで質疑もさせていただきましたが、公立学校等の避難所機能の強化について質問させていただきます。 地域の避難拠点となる学校の防災力強化についてお尋ねいたします。 災害時の避難所に指定されている公立小中高校などの防災機能に関する調査結果を文部科学省が公表しております。厳しい現状が浮き彫りになっており、早急に手だてを講じる必要があるとされております。 例えば、施設利用計画を策定済みの学校の割合が四割に満たないといわれております。施設利用計画は、運営本部をどこに設置するか、感染症患者の専用スペースはどうするかなど、避難所としての運用方法を定めるもの。被災者を円滑に受け入れ、学校施設を効果的に利用する上で重要である。それが四割に満たないとは。緊急時の混乱に拍車を掛けることがないよう、早急に計画策定をすべきであるとされております。 さらに見過ごせない点が、断水時でも利用できるトイレの確保であります。言うまでもなく、排せつへの備えは、水や食料の備蓄とともに、避難所に求められる最大の役割であります。 調査によれば、非常用物資の備蓄は七二%の学校で終えているのに対し、携帯トイレや雨水を使用するタイプなど、断水時用のトイレを備えている学校の割合は四九・五%にとどまった。中には一割に満たない県もあり、放置できない状況であるということであります。 過去の災害では、断水で避難所のトイレが機能せず、衛生面で問題となったり、トイレを心配して水分を控え、エコノミークラス症候群や脳梗塞につながった例が相次ぎました。 こうした事態を防ぐために有効なのが、マンホールの上に簡易トイレを組み立てて使用するマンホールトイレであります。下水管につながるため、水道が止まっても利用でき、実際、熊本地震では水洗トイレが使用できない中、マンホールトイレが役立ちました。 こうした災害対応型トイレの導入費については、一部を補助する国の制度があります。設置方法などを解説したガイドラインも発表されております。 そこで数点、お尋ねいたします。 施設利用計画は、被災者を円滑に受け入れ、学校施設を効果的に利用する上で重要であります。文部科学省の発表によると、それが四割に満たない状況とのことですが、本市はどのような状況か、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 議員御指摘のとおり、学校施設は子供たちの学習・生活の場でありますとともに、非常災害時には地域住民の避難所等としての役割を果たすことから、その安全性の確保と防災機能の強化が極めて重要であると考えております。 本市におきましては、学校施設ごとに校舎などをどのように活用するのかという、いわゆる施設利用計画が未作成の状況でございますが、全体的な運用指針としては、現在、災害対策本部規定に基づいた避難所班、救護班、輸送班などの班ごとの取り組みをまとめた災害時班別マニュアルを定めているところでございます。 この災害時班別マニュアルの中で、指定避難所になる公立学校を所管する避難所班の取り組みといたしまして、避難所の開設、活動内容、情報収集、物資食糧調達、衛生保健、避難所運営等にかかわる運用指針を定めておりまして、各学校においても、避難所開設までの手順については、定めているところでございます。 御指摘のとおり八月二十九日に文部科学省から、「避難所となる学校施設の防災機能強化の推進について」、こちらの通知が出されたことを受けまして、今後、各学校における校舎等を避難者の居住スペースや避難所運営に必要なスペースの設定を初め、あらかじめ定めておく計画の速やかな整備に努めていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 学校施設の安全性の確保、また、防災機能の強化は極めて重要であるという所見を述べられました。その上で施設利用計画は定めておらないけれども、災害時の班別マニュアル等を定めているという答弁でございました。また、計画の整備に努めてまいりたいと、前向きな答弁もいただいたと理解いたします。 次に、非常用物資の備蓄に加えて、断水時でも利用できるトイレの確保は極めて重要であるとのことでした。断水時用のトイレを備えている学校の割合は四九・五%にとどまり、中には一割に満たない県もあるという放置できない実態とのことでございましたが、本市はどのような状況か、お尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 本市における備蓄トイレ等の現状でございますが、現在、手すりつきの簡易トイレ三十基、簡易トイレ十基、仮設トイレ三基を備えているところでございます。しかしながら、大規模な災害が発災した場合には、避難者に見合った数量には十分と言えないのが現状でございます。 こうした中、本市といたしましては、今年の三月に、奈良県に本社があり、本市に事業所がございます民間事業者様と、災害時における災害用トイレ等の供給協力に関する協定、こちらを締結させていただきました。 主な内容としては、大規模災害によりライフラインが途絶した場合に、本市からの要請に基づいて、指定避難所であります公立の九小学校、公立四中学校に優先的かつ速やかに仮設トイレを配備していただくというものでございます。また、その際に不足が予想されますトイレットペーパーの供給もしていただけることとなっております。 今後も、本市の避難所トイレ対策といたしまして、防災協定の締結や防災事業所登録の促進を図りながら、対策を講じてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 今、市長のほうから、民間事業者と災害時における災害用トイレ等の供給協力に関する協定を締結されているということでございました。 ところが、私はいろいろネットで調べてみた結果によりますと、仮設トイレについて、三日以内に仮設トイレが行き渡った自治体というのは三四%やったというんですね。東日本大震災の内容でございますけれども。四日から一週間が一七%。これは何によるかといいますと、やはり大規模災害になりますと、交通渋滞でありますとか、道路の寸断でありますとか、実際に協定を結んでおっても、仮設トイレが運び込めないという、そういう状況もございまして。 やはりそういったところからトイレの対策というのは非常に重要であるということが、国交省のほうからも示されておりまして、「マンホールトイレ整備・運用のためのガイドライン」というものも、専門家による会議をやって、こういうガイドラインも示されております。その中で、「ガイドラインの目的と活用方法」について書かれておりますけれども、「防災基本計画において、市町村は避難所における生活環境が常に良好なものであるように努めるものとされています。本ガイドラインは地方公共団体等に対し、マンホールトイレの有用性や整備の基本的な考え方、さらには被災者が“使いたい”と思う快適なマンホールトイレの整備のあり方を示すことで、マンホールトイレの普及を推進し、来たるべき災害に対して、快適なトイレ環境を確保することを目的とします」。このように示されております。 災害対応型トイレの導入費につきましても、一部を補助する国の制度がございます。マンホールの上に簡易トイレを組み立てて使用するマンホールトイレが有効とされており、下水管につながるため水道が止まっても利用できるため、実際、熊本地震では水洗トイレが使用できない中、マンホールトイレが役に立ったということでございます。 あらためて、このマンホールトイレを設置することについて、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいま議員に御指摘いただきましたとおり、仮設トイレの設置については、大規模発生直後に設置することができない、あるいは道路網が寸断されていた場合に、効果的な手段となり得ないということも予測されます。そういった点でマンホールトイレは、発災直後から、外部から調達する必要がなく、迅速に設置、使用ができるため、非常に効果的な手段になると考えております。 マンホールトイレを大きく分類いたしますと、既存のマンホールのふたを開けて、上物の便器だけを取り付ける本管直結型と、そしてもう一つとして、マンホールトイレを設置するための排水管を別途整備して、下水道本管に接続する本管接続型に分かれるということでございます。 この本管直結型については、くみ取り型のお手洗いと同じ構造でございますんで、トイレ一式とテント本体のみで機能を果たすことができますが、やはり本管に直結している関係上、若干臭気等の問題はございます。 一方、本管接続型、こちらは水槽から排池物を下水道管に流し込むために、本管直結型よりは、臭気等を抑えることができますが、設置に当たってはあらかじめ特別な工事等を行う必要がございます。 本市におきましては、緊急事態におけるトイレの数量を、やはり迅速に複数、できるだけ多く確保しなければならないという観点から、まず、本管直結型のマンホールトイレの活用方法の検証を行っているところでございまして、避難所になります公立学校付近のマンホールを地図に落とし込んで、設置可能な場所があるか、こちらの調査を現在行っているところでございます。 また、それ以外にも発災直後のお手洗い対策として、段ボール製の簡易トイレの普及啓発を行っているところでございまして、段ボール製の簡易トイレは、非常に軽量かつ持ち運びが可能なポータブル形式になっております。組み立てる前に、非常持ち出し袋としても利用することができまして、汎用的に扱えることが利点でございます。本市におきましても、昨年度サンプルとして二基を購入し、地域の自主防災研修会、あるいは防災イベント等の機会を通じて、市民の皆様への普及啓発等を行っているところでございます。 また、手すりつきの段ボール製簡易トイレ二十基も購入しておりまして、現在、福祉避難所へ配備しているところでございます。 今後も大規模災害発災直後のトイレ対策について、引き続いて、マンホールトイレの調査整備、そして段ボールトイレ等の簡易トイレの普及啓発等を行いまして、大規模災害時の衛生環境が保たれるように副次的な対策を講じてまいりたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 マンホールトイレについても、種々、研究・検討していただいているということでございます。その上で、また、段ボール簡易型トイレについても研究されておるという説明でございました。 ただ、本当にトイレというのは大変大事な問題でございまして、例えばトイレが使いやすいか、使いにくいかということで、どんな影響があるかといいますと、災害が起こっても排せつは待ったなしということで、要するに九時間以内にトイレに行きたくなった人たちは七八%おられるということでございます。そして、トイレが利用しにくいことによって、水分をとったりすることを我慢されて、それが引き金になってエコノミークラス症候群のような症状を起こされるという事例もあるということでございます。 また、高齢者も増えておりまして、一般家庭においては洋式トイレが普及しておりますので、仮設型トイレというのは和式の便器が多いようでございまして、なかなかしゃがむことが大変な人には利用しにくいトイレであるということでございます。 そういった、いろんなことも考えていただいて、取り組みをお願いしたいと思います。 ほぼ、公立学校の耐震化というのは完了する形となってまいりました。次の課題は、この学校施設を避難所として求められる機能を十分に確保すること、これが重要であると思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 次に、住宅セーフティネット制度についてであります。本年四月二十六日、新たな住宅セーフティネット制度、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律が公布され、十月二十五日から施行されます。この法律により、住宅確保要配慮者、いわゆる高齢者、子育て世帯、低所得者、障害者が円滑に住居を確保できるよう、自治体のきめ細かな対応が求められております。 同法により、高齢者らの入居を拒まない空き家・空き室を都道府県ごとに登録、空き家の改修費用として家主に最高二百万円補助、低所得の入居者に月額四万円を限度に家賃補助など、支援制度が創設されております。 法改正の背景には、住まいの確保に難渋する高齢者らの現状があるとされております。単身の高齢者は今後十年間で百万世帯増えると見込まれるが、公営住宅は応募倍率が高く当選するのは容易ではありません。民間住宅を希望しても、孤独死や家賃滞納などを恐れる家主から入居を拒否されるケースが多く見受けられるようになってきているそうであります。 また、高齢者や障害者にとって、支援制度の利用に必要な申請をすることでさえ、決して容易ではなく、入居に至るまでにはさまざまなサポートが必要であるとのことであります。この点については、二〇〇七年に成立した住宅セーフティネット法に、居住支援協議会の設置が盛り込まれております。これは、自治体や不動産関係団体、NPO法人などで構成され、円滑な入居をサポートするものであります。 例えば、いち早く居住支援協議会を立ち上げた東京都調布市では、専門相談室を設置し、民間賃貸住宅の情報提供から、各種助成制度の説明、入居後の見守りに至るまで、きめ細かな支援に取り組んでおります。 しかし全国的に見ると、昨年十一月時点での設置状況は、四十七都道府県と十七市区町村にとどまっており、入居希望者一人一人に寄り添った支援を行うためには、それぞれの市町村レベルの設置を推進する必要があるのではないでしようか。 そこで数点、お尋ねいたします。 本市における住宅セーフティネット制度の取り組みについてお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 本市におけます住宅セーフティネット制度に関する取り組みといたしましては、平成二十八年三月に行なわれました奈良県居住支援協議会の設立に、県内他市町村とも御一緒に参画をしております。 また、住宅セーフティネット法に関しまして、住宅確保要配慮者のための公営住宅の供給の促進及び民間住宅への円滑な入居の促進を図るべく、各種専門機関と協力し展開してまいっているところでございます。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 今の市長の説明によりますと、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録は県が行うということで理解いたしますが、民間においては、空き家や賃貸住宅の空き室が増加傾向にあるということでございます。本市において、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の掌握や、活用できる空き家の掌握に、どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 本市におけます住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の掌握につきましては、県の居住支援協議会等において住宅確保要配慮者に対する施策が、今後具体化されていく中で、やはり本市としての取り組みもしっかり考えていかないといけないと思っております。 また、活用できる空き家の掌握につきましては、平成二十八年十二月に外部の専門家及び有識者等を交えて空家等対策協議会を発足し、市内の空き家の実態把握に取り組んでいるところでございまして、この取り組みの全体の中でも、この住宅確保要配慮者への対応ということも考慮してまいる所存です。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) ありがとうございます。 県の施策が具体化されていく中で、検討していきたいと。また、既に空家等対策協議会を発足して、市内の空き家の実態把握に取り組んでいただいているということでございます。 単身の高齢者は今後十年間で百万世帯増えると見込まれるとのことですが、入居希望者一人一人に寄り添った支援を行うためには、市町村レベルでの居住支援協議会設置を推進すべきであると考えます。全国の居住支援協議会設置状況は、四十七都道府県には設置されているものの、市区町村においては十七であると、十七にとどまっているということでございました。 東京都調布市のように、居住支援協議会を立ち上げ、専門相談室を設置して、民間賃貸住宅の情報提供から、各種助成制度の説明、入居後の見守りに至るまで、きめ細かい支援に取り組んでいるという先進地の事例がございます。このような事例を参考に取り組んではどうかと思いますが、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 高齢者、特に低所得の高齢者の皆様にとって、非常に重要な御示唆をいただいたと思っております。 本市では、昨年まで三年間取り組んでまいりました厚生労働省の低所得高齢者等住まい・生活支援モデル事業、この中で、市内の社会福祉法人様への委託事業ではございましたが、自立した生活を送ることが困難な低所得の高齢者などを対象に、民間賃貸住宅の情報提供など転居先探し、あるいは支援プランの作成、転居契約の支援、引っ越し後の見守り、こういったことを実施してきております。現在も当該法人様において、この事業は引き続き行われておりまして、今後もこのサービスを必要とされる高齢者からの相談に対し、当該法人様と緊密に連携していきながら、同法人が主催する支援プラン作成のための転居支援委員会などに、本市からも参加して一緒に知恵を出していくなど協力を続けていきたいと考えております。 また、県居住支援協議会を活用して、利用可能な民間賃貸住宅ストックの把握、その導入に向けた取り組みの中で、こういった事業実施法人の取り組みも支援を組み合わせていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 寺井正則議員。 ◆十一番(寺井正則議員) 市長は高齢者、特に低所得高齢者ということで言及されましたけれども、住宅確保要配慮者というのは高齢者も含めて、例えば生活に困窮している低所得者、また子育て世帯、そして障害者等も入りますので、合わせて対策をお願いしたいと思います。 また、県居住支援協議会を活用して、利用可能な民間賃貸住宅ストックの把握、また、事業実施法人の取り組みを支援ということで、どちらかというと外部的な意味合いの答弁やったかと思いますけれども、そんな中でも市の福祉部局、また住宅部局としっかりとした連携をとっていただくことが重要であると思いますので、この住宅セーフティネット制度の取り組みについても、しっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の今回の一般質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) しばらく休憩いたします。午後一時より再開いたします。             午前十一時三十七分 休憩             午後一時零分 再開 ○議長(大橋基之議長) 休憩前に引き続き会議をいたします。 引き続き一般質問を行います。 次に十四番、荻原文明議員。     〔十四番 荻原文明議員 登壇〕 ◆十四番(荻原文明議員) それでは一般質問を一括質問方式で行います。 市長並びに関係各位にお尋ねいたします。 立地適正化計画、いわゆるコンパクトシティー計画について、まずお尋ねいたします。 二〇一六年度で立地適正化計画の素案を作成し、二〇一七年度予算でも立地適正化計画策定事業として九百九十六万五千円を予算化されています。第五次総合計画や都市計画マスタープランと合わせて、まちづくりの基本計画となるもので、人口減少と高齢化、社会資本の老朽化という問題に対してまちづくりをどのように進めるのかというもので、都市機能誘導地域と居住誘導地域に大きく分けようとするもので、本市の将来像に大きく影響するものです。 立地適正化計画は、今述べたように、主に都市機能誘導区域と居住誘導区域を中心に進められます。 各地域は千数百年の歴史的背景を持って発展してきたもので、街の歴史、文化、コミュニティーを背景にした人と人とのつながりがある。これを断ち切ることはできません。子育て支援、教育、高齢者や障害者施設、社会教育施設などは日常生活圏を中心として整備し、大規模商業施設もまちづくりの視点から立地範囲を制限し、買い物サポート体制を充実することが必要です。地域の零細小売業の衰退は、高齢化が進む中、買い物弱者を生み出しています。 零細小売業者による地産地消の推進、宅配事業などの消費者との連携の強化、それらを支援する制度的、人的体制など、徒歩購買圏を再構築することが重要となっています。 本来、コンパクトシティーは、歩いて暮らせるまちづくりを目指したものであり、これを基本にした計画が必要です。小学校区、広くても中学校区単位で日常生活圏ができるものでなくてはなりません。例えば、もともと本市の公民館は歩いて利用できることを基本として、小学校区ごとに設置されております。街をコンパクトにすればよいというものではありません。素案では、市内の各地域を公共交通ネットワークで結ぶとしていますが、税金を投下し、天理駅を中心とした再整備が進み、新たな地域間格差が生まれるのではないかという懸念もあります。 実際、誘導というのは効果があるのでしょうか。 仕事は別にして、高齢化による日常生活からの車社会の脱却は車がなくても暮らせる天理市を目指し、無人駅の解消、バリアフリー推進、アクセスの充実など、鉄道の利便性の向上、コミュニティーバスが既存公共交通との競合で制限がある中で、タクシー利用の拡充で駅へのアクセスや主要施設へのアクセスの向上を図ることも必要です。こうした、住民の交通権保障、移動の自由を明確にし、人口減少と公共施設の老朽化に伴う、施設の総合管理計画との関係性はどうなるのか。この点についても明らかにしていかなければなりません。 こうした考えに基づく、立地適正化計画作成についてどのようにお考えか、まずお尋ねをいたします。 次に、農業の六次産業化についてお尋ねいたします。 天理市は六次産業立地推進事業費に本年度八百万円の予算を計上して現在、計画を作成されています。 全国的には農産物直売所、農産物の加工、観光農園の二〇一四年度の販売金額はそれぞれ六・六%、四・〇%、三・八%増加しています。六次産業化は、農水省のリーフによれば、農山村漁村の地域資源を活用し、新たな付加価値を生み出し、農山村漁村の所得向上、雇用確保を図り、農林漁業者などが主体となって、みずからの生産品を使って新商品を開発し、既存の販売ルートだけではなく、直接消費者に販売するなど新たな販路の開拓をしていく取り組みと言っています。こうした考え方自身は、販路を拡大し、雇用を増やし、所得を増やす上で重要で、農業を発展させていく上での一つの重要な方法といえます。 しかし、農業への企業参入を六次産業化の柱にするのでは、大企業などのビジネスチャンスにはなっても、農業者や地域経済のプラスにはなりません。専業、兼業を含む、家族経営を担い手とした農業を基本とし、集落営農、営農規模拡大も活用し、消費者と連携し、消費者に信頼される六次産業化を目指すことが必要です。 本市の六次産業化の考え方や方針などについてお尋ねいたします。 地方自治体が主体となって、六次産業化を行う場合、方針を明確にしていかなければなりません。それは、天理市の農業の現状と課題、取り組み方針、売り上げなどの成果目標、開発商品と販路開拓、事業体・農業経営のあり方、農業者を支援する施策、国などの支援施策の活用などについてであります。これらは自治体が、六次産業化の主体となるべき農業者とともに検討していくことが必要です。 特に、以下の四点についてお尋ねします。資金の調達はどうするのか。経営方針はどうなるのでしょうか。経営黒字の見通しはどうでしょう。消費者との連携はどのようにお考えでしょうか。お尋ねいたします。 三つ目に、小規模企業振興基本法の活用と、地域経済振興条例の制定、住宅リフォーム助成事業実施などについてお尋ねいたします。 市内の事業所のうち約六割は従業者数四人以下です。中小企業といわれる事業所でも、ある程度の経営規模の大きな事業所には、国や県の支援施策があります。しかし、生業を営む小規模企業にとっては、それらを利用しにくいところがあります。小規模企業の経営は長期の消費不況で、売り上げ不振が長期化しています。小規模企業の経営の改善がなければ地域経済の活性化はありません。 二〇一四年に成立した小規模企業基本法は、地方自治体に施策の策定と関係団体との連携を責務とし、小規模企業を地域経済の主役と位置づけています。小規模企業基本法は、地方自治体の役割を次のように述べています。第七条で、「地方公共団体は、基本原則にのっとり、小規模企業の振興に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」。 第二項で、「地方公共団体は、小規模企業が地域経済の活性化並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に資する事業活動を通じ自立的で個性豊かな地域社会の形成に貢献していることについて、地域住民の理解を深めるよう努めなければならない」と述べています。 地方自治体は、小規模事業者の意見を聞き、第七条の「地方公共団体は、基本原則にのっとり、小規模企業の振興に関し、国との適切な役割分担を踏まえて」、諸計画を作成していただきたいと思います。その際、地域の総合的な循環型経済の振興策を計画し実行することが求められています。 そのための基本的指針となるのが地域経済振興条例です。地域経済振興条例の制定で総合的な地域経済対策を推進することが求められています。制定の有無について、お考えをお尋ねしいたます。 また、住宅、空き店舗、店舗リフォーム助成制度は、地域経済への波及効果は実証されています。リフォーム助成制度は、市内の建設事業者を利用して、リフォームを行った市民に対し、工事費用の一部を、助成金を出して補助するものです。経済波及効果が大きく地域経済の活性化に貢献しています。 京都府与謝野町が実施した住宅リフォーム助成制度の経済波及効果を、京都大学研究チームが行った検証結果は、経済波及効果の総額は町が投入した補助金の二三・八四倍に上るという試算結果を公表しています。内訳は、二億六千万円の補助金に対して、約四十億円の工事費として直接消費があり、建設業関連企業への生産波及効果も合わせると総額六十三億四百万円に及んだと試算されています。 住宅、空き店舗、店舗リフォーム助成制度の効果は実証済みで、その実施についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 次に、公共施設照明のLED化の計画についてお尋ねいたします。 防犯灯は市内全域を一斉にLED化計画をされています。本市においても地球温暖化対策を推進しているところです。公共施設の照明のLED化を実施することについてお尋ねいたします。 LED電球は、白熱電球に比べて電気代は七分の一から十分の一といわれています。寿命は、白熱電球が約千時間、蛍光灯は約六千時間、LED電球は約四万時間といわれています。白熱電球からの交換は、器具の交換をしなくてもできます。地球温暖化対策、省エネ対策から公共施設のLED化を計画的に進めることが必要と思いますが、この点についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。 以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) 荻原議員の御質問に対してお答えをさせていただきます。 まず、最初に立地適正化計画でございますけれども、本市では今後、人口減少あるいは少子高齢化によりまして、二〇四〇年には少ない人口集積地がまばらに点在する状況に陥ってしまうことも懸念されます。これにより、全ての地域に十分な公共サービスを施すことが困難となる懸念があり、加えて多くの地域で高齢者の皆様の占める割合が三割を超えることが推定をされております。高齢者や子育て世代も含め、多世代にとって安心で快適な生活環境を実現することが課題となっております。 こうした中、平成二十六年八月に都市再生特別措置法の一部が改正されまして、立地適正化計画の策定に向けた法的枠組みというものが整備をされました。本市におきましても同制度を活用していきながら、しかし一方で荻原議員も御指摘いただきましたように、既存のコミュニティーのきずなの重要性と、これに対する影響、こういったものを十分に配慮いたしまして、地域の特性を踏まえ、できるだけ自動車に依存することのないコンパクトで歩いて暮らせるまちづくりを進めていきたいと、かように考えております。 本市では国の方針にのっとりまして、医療・福祉・商業等の都市機能の誘導を行う都市機能誘導区域、生活サービスや地域のコミュニティーが持続的に確保されるよう居住の誘導を行う居住誘導区域、また、中心地区以外の三地区には、居住する生活圏内での日常の買い物や通院など、日常生活に必要な施設の集約化を図る地域生活拠点を設ける計画、こういったものがこの立地適正化計画に含まれてまいります。 昨年度、素案の作成を行いましたが、計画を進めるに当たりまして、本市は鉄道駅を中心に、既存の市街地が点在して形成され、それぞれが歴史的背景を持って発展してきた地域ごとの特性を生かす必要がある。こういった認識のもとで検討を行っております。 天理駅・前栽駅周辺地区は天理市の中心にふさわしい都市機能の集積・充実を図り、天理駅周辺を商業・産業・観光・文化等、さまざまな都市機能の中心拠点として位置づけております。また、複合的な機能を要する市民生活の拠点地区の形成を目指してまいります。 前栽駅周辺では、市立メディカルセンターを生かした医療・福祉・介護の都市機能を重視した地区を想定しております。 櫟本駅周辺地区においては、中心拠点であります天理駅・前栽駅周辺地域の居住誘導区域と連続をしておりますことから、公共交通を生かした地域活力向上による特色あるまちづくりを目指してまいります。 二階堂周辺地区については、住環境の保全・向上を図るとともに、工業地に隣接しているメリットを生かしまして、中心拠点である天理駅・前栽駅周辺地区の都市機能誘導区域にほど近いエリアでの職住近接型の生活スタイルの確立を目指してまいります。 そして、柳本駅周辺・西長柄一帯につきましては、また朝和も含めてでございますけれども、歴史遺産や昔ながらの街並みなど、多くの地域資源に恵まれた地域特性を生かして、交流人口の増加に向けたまちづくりを進めていきたい。かように考えております。 こういった中で地域公共交通の重要性でありますとか、あるいは議員からも御指摘がございました買い物弱者支援、こういったことを総合的に勘案いたしまして、今年度は素案をもとに、国・県と協議を行いながら、庁内外の会議を経て、市民の皆様方への説明なども含めまして本計画の周知を行った上で、都市計画審議会での報告後、本計画を策定し、三十年度に公表を目指していきたいと考えております。 続きまして、六次産業化計画についての御質問でございますけれども、本市の農業は御承知のとおり都市近郊型でございまして、県内でも有数の農産物生産量を有しております。しかし、さまざまな要因により全国的に農業離れが進んでおりまして、農業所得の低迷、こういったことが課題となっております。 このような現状から、国全体として六次産業化によって営農の効率化、農業所得の向上を図り、新しい産業構造を創出するということが、近年、重視をされております。 本市におきましては、南檜垣営農組合や和爾営農組合に代表される営農団体の皆様方が、地域特産品の開発やPR、農産品の高付加価値化、直売施設・マルシェへの参加など、各地域の特色を生かした六次産業化に向けたものづくりに取り組んでくださっておりまして、市としても、やはりこういった地域の動きが農業振興に向けた重要な鍵であるという視点に立ち、地域に根差した六次産業を初めとする営農活動と、より一層緊密に連携をしていきたいと考えているところでございます。 一方で、今後の見通しといたしましては、地域によってはやはり農業所得の低迷や高齢化、後継者不足などの課題により、このままでは農業を継続していくことが困難な状況というのも残念ながら生じてくるというふうに考えております。歯抜け状態になってしまいますと、営農を続けたいという方がいらっしゃっても、さまざまな施設の維持管理などから、結局は営農を続けられないと、こういったことも懸念がされるわけでございます。 今後、農業を継続していくために、企業とも連携をしながら、農地を集約し、大規模な農業生産組織事業を立ち上げることも、これは選択肢の一つであると考えまして、平成二十七年度に地方創生先行型交付金を活用いたしまして、六次産業の可能性について検討を行いました。 この可能性の調査によりまして、六次産業の最適地としては櫟本エリアが示されました。道路交通網では西名阪自動車道、名阪国道や京奈和自動車道を初めとする広域交通ネットワークに近接するエリアでございまして、またJR櫟本駅にも近接しており、進出が想定される企業にとっては非常に魅力的なエリアであるとの報告を受けたところでございます。 そこで、地元の関係者の皆様方、地権者の皆様方に、六次産業の可能性というものを提示させていただき、意見をお伺いしたところ、賛成あるいは条件次第では前向きに検討していきたいという方が多数に上りました。 今後は、この事業実現に向けた基本計画策定のあり方を、しっかりと検討していかなければならないというふうに考えております。また、この事業を進めていく場合には、個別の地権者の方であったり、あるいは個別の農家、地権者の方、そして営農組織よりも外からの企業を優先するという考えは全くございませんで、やはり地元の各経営体の意欲・意思というものを尊重しながら、地域に見合った農業形態の確立・継続を図っていかなければならないというふうに考えております。 そして、事業の方式といたしましては、今後、営農が困難である方、あるいは土地の活用を考えていらっしゃる皆様方の御意向を踏まえながら、土地区画整理事業や、あるいは土地改良事業などを組み合わせることも想定されるわけなんですけれども、今後、基本計画に向けて先進地の事例も参考にしていきながら、さまざまな事業手法を地権者の皆様方とも協議・相談をしてく必要があると考えております。 一方で、経済効果の見通しといたしましては、六次産業の可能性調査の報告書においては、農地ゾーンで大規模施設園芸、あるいは都市ゾーンで食品加工場、流通系の産業、あるいは物産販売施設等、こういったものを組み合わせて立地をされた場合に、相当の交流人口の増加や、就業に伴う市外からの移住、市内への定着につながっていくのではないかというふうな可能性が提示をされているところでございます。 また、消費者とのかかわり方ということでございますが、物産販売施設を併設する場合には生産者の顔が見えた農産品の販売、農産品を加工した商品の販売など、生産と消費が地域の中で循環していく地産地消につなげていくという案が報告書の中で提示をされておりますけれども、今後はその基本計画をどのような事業形態でやっていくかという中において、消費者との連携についても十二分に留意をしていかなければならないと考えております。 続きまして、小規模企業振興あるいは地域経済振興条例ということでございますけれども、本市の発展のためには、市内事業者の皆様の大多数を占める中小企業の振興が大変重要であるという点は、私どもも認識を同じくさせていただいております。小規模企業振興基本法によりまして、地方公共団体は地域経済を支える主体としての小規模企業を振興する責務を負っているというふうに思っております。 本市においては、融資制度として市内の金融機関を通じて事業資金の融資を行い、融資の利下げ補給を行うとともに、奈良県信用保証協会への保証料についても、全額を市が負担しております。 また、企業のものづくり支援として、既存商品の付加価値あるいは新商品等の開発、こちらの業務を平成二十八年度から取り組んでおりまして、平成二十八年度は三事業者、平成二十九年度も三事業者が、私どもと協働していただいております。 創業支援では、天理市商工会と連携をし、経営、財務、人材育成、販路開拓についての創業セミナーを開催しておりまして、やる気のある皆様方の新たな創業というのを支援しております。 このようにさまざまな施策を実施して、中小企業・小規模企業の皆様方と連携・協力をしておりますが、これまでの取り組みを今後体系化していく上において、今年の四月に制定されました奈良県小規模企業振興基本条例を踏まえながら、本市の条例制定を含め、さらなる方策を検討していきたいと考えております。 その中で、一つの具体策として、住宅リフォームということについて言及をいただいたものだと認識をしておりますが、住宅のリフォームを行うことに当たっては、やはり多額の自己資金が必要である場合が多く、また、それに対する助成制度を創設する場合には、助成対象者数、また、助成金額には制限を設けざるを得ない。そして、助成対象者の決定に当たっては、抽選や先着順などの対象範囲が限定的となりますので、不公平感が生まれないかという懸念もございます。 これらの課題を認識しておりますが、今後、住宅リフォーム助成制度に関しましては、既存の融資制度・減税制度等の活用が可能であることから、現時点では新たな市の助成制度を創設することには、やはり課題があると考えておりますけれども、議員に御指摘いただきました地域経済への波及効果がどのぐらい見込まれるかについて、さらに研究していきたいと考えております。 そして、最後に公共施設のLED化計画についてでございますけれども、平成二十八年度に策定いたしました第三次の天理市地球温暖化対策実行計画において、環境負荷の低減化への取り組みの中で、「照明機器のLED化など、省エネ型照明機器の導入に努める」としております。また平成二十九年三月に策定をいたしました天理市公共施設等総合管理計画でも、公共施設等マネジメントとして維持管理・修繕・更新等の実施方針の中で、「省エネルギーへの改善に配慮するとともに、空調設備や照明設備の改修についてはESCO事業の活用を検討するなど、維持管理費の削減に努める」ということにしております。 これまでにも、天理駅前広場、南団体待合所、トレイルセンター、教育総合センターの一部と前栽小学校の校舎・体育館、朝和小学校の体育館、櫟本公民館等の施設で、これらについて取り組んでおりまして、直近では本年度改修を行っております山の辺小学校の体育館、平成二十九年度から平成三十年度にかけて改修をいたします柳本幼稚園の保育棟と管理棟を、順次LED化を進めているところでございます。 今後、施設の建てかえや大規模改修事業などを行う際に、省エネ効果や費用削減効果が極めて大きいことを踏まえまして、LED照明への切りかえを順次実施していきたいと考えております。 また、全ての既存施設について一斉に切りかえを行うことにつきましては、なかなか予算の観点からも困難ではございますが、近年はLED器具の購入費用も下がってきておりますので、施設等の老朽化に伴い照明器具の改修が必要となった場合に、順次LED化を実施する方向で進めていきたい。かように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 荻原文明議員。 ◆十四番(荻原文明議員) まず、立地適正化計画でありますが、先ほど高齢化がどの地域でも三割を超えるということを言われましたが、その前提条件となっている人口目標なんですが、これは社人研のいわゆる二〇六〇年に四万五千人前後になるという、そういう人口目標値を使って推計されたのではないでしょうか。 本市の人口ビジョンでは、二〇六〇年に約六万人という人口推計をしております。六万人ということを、人口推計の数値を使えば、その辺の数字も若干変わってくるのではないかと、若干というか大幅に変わってくるのではないかというふうに思います。まず、その前提条件が、対策を講じる前の前提条件を使って立地適正化計画を作るのは、少し目標を誤るのではないかというふうに思いますんで、その点についてお尋ねしたいのと。 それから、本市は面積や、そういう市街地の形成等を考えてみれば、この間、公共施設をつくるときに、それぞれ地元の要望や、あるいは各地域に公共施設をつくっていくという観点で、この間いろんな公共施設をつくられてきたと思うんです。よく言われていたのが櫟本高塚公園ですね。北部にそういうグランドがないからという、かねてからの地元の要望で、南部に天理運動場とか体育館とかさまざまな施設がある中で、北部にないということで櫟本高塚公園をということで設置をされた。そういう経過があるし、体育館等も各拠点ごとに設置をされているという、この間の天理市の公共施設の配置の歴史的な経過もあります。 ですから、そもそも本市の例えば面積、南北でいえば約五キロ、六キロぐらいですね。東西は若干長いですけれども、二階堂、天理中心部は約五キロ、六キロという状況の中で、本来コンパクトシティー立地適正化計画というのが必要なのかどうか。私はちょっと疑問に思うんですよね。面積がかなり広範囲にわたって、しかも集落が点在、距離と距離が離れて点在しているとかという状況になれば、確かに立地適正化計画、コンパクトシティー構想というのは有効に働くというふうに思うんです。 世界でも、欧米でも、こういう立地適正化、コンパクトシティーというのは一つの都市をつくっていく上でのモデルというふうになっております。そういう意味では、必要な所には必要だというふうに思うんですが、本来、天理市の面積あるいは人口とか、あるいはこの間のまちづくりのことを考えていくと、本当に今年だけでも約九百万円の予算を使って計画をつくろうとしていらっしゃるし、これから実施計画等をつくっていくとなると計画だけで二、三千万かかるのではないかというふうになると思うんですよね。国全体がそういう施策の方向性を示しているとはいえ、やっぱり必要性について改めて再検討してもいいのではないかというふうに思います。この点についてもお考えをお尋ねいたします。 それから、六次産業についても、今、るる御説明をいただいた考え方だとか、あるいは六次産業の意義とか、そういうものについては私も全く異論はないわけなんです。しかし、かつて本市でも柳本地域に観光バスが止まるような農産物の直売所をつくったらどうかという議論も、意見も実際ありましたが、この点について経営とか、経営見通しだとか、あるいは本当にそれだけの投資をして効果があるのかどうか。実際に百六十九号線に半年ぐらい農産物の直売所が一時期オープンしたことがありましたが、すぐ閉めてしまいました。 という状況の中で、なかなかやっぱり農産物の直売所というのは、規模が小さくて固定費が少なくて、あまり経費がかからない所では売り上げがそのまま利益になるような状況では、確かに一定の効果もあるし、すぐに利益、経済効果が現れてきますが、やっぱり本市が行おうとしている、そういう加工場とか、あるいは直売所とかを兼ね備えた、ある程度規模が大きなものになってくると、やっぱり経営の見通しというのが重要になってきますから、それを農業者が主体となってそういう方針をつくっていくというのは、なかなかやっぱりこれは大変な作業だし、普段からそういう経営的なものをやってこられていないですから、そこで行政が主導して進めるのであれば、その辺を行政としてやっぱり明らかにしていく必要があるのではないかというふうに思うんですが、その点についてももう一度お尋ねいたします。 それから、企業との連携を私も否定しているわけではありません。ただ、企業も地元の農業者が、利益が出るようなそういう方策をともにつくっていっていただきたいということをお願いしたいというふうに思います。 それから三つ目の住宅リフォーム助成制度なんですが、この間も何回かお尋ねして、御答弁も大体同じようなことを、前市長の時代から、御答弁だったというふうに認識をしておるんですが、これは既に全国でも数多くの自治体で抽選、あるいは先着順とか、あるいは補助の上限を決めてやっているわけですから、その点については既に実証済みな話なんですね。経済波及効果についても、京都大学の研究もあるし、十数年前には神戸大学が明石市の経済波及効果は十倍以上という、試算をしたこともあります。他の市でも独自に経済波及効果を行って、三倍とか四倍とかいう結果、数字も出ておりますが、この点についても実証済みであるし、実際本市でも数年前に商工会が中心になって、国の補助制度を使って、これは住宅改修だけではなくて、さまざまな商品の購入ができるチケットでしたかね。券を販売して、これも恐らく完売されたんではないかというふうに思うんですが、そういう本市の場合でも、実際にそういう経験もあります。 ですから、そういうことを踏まえて、改めて実施について御答弁をお願いしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) まず、立地適正化計画でございます。 御指摘のとおり、本市の地方創生の戦略の中で、人口ビジョンがもとになって、それでは極力六万人台を維持しようという目標のもとで、今、私どもは全力を尽くしていっているわけなんでございますが、一方で現実的にもう六十五歳以上の方が三割を超えてしまっている、あるいは三割に近づいている校区が多数出てきていることも残念ながら現実でございまして、その中で皆様方が住みなれた地域で安心して暮らし続けていただくにはどうすればいいかということを考えなければならないというふうに思っております。 また、櫟本の高塚公園の例も出していただきましたけれども、やはりこれは全国的に均衡ある発展ということが、かつては非常にいわれた中で、しかし、その全てに投資することがなかなか難しいなという現実に立ち返ったときに、じゃあ、どうすれば、どういったバランスで機能を配置すれば、無理なく皆様方に必要な公共サービスが提供できるか。そのバランスの考え方の中で出てきたのが、この立地適正化計画であったり、コンパクトシティーということだと思っております。 その他方で、本市の場合は非常に歴史がそれぞれの地域に深い。そして既存のコミュニティーの果たすべき役割が大きい。なので、幾何学的に何か町を配置して、無理やり移ってもらうであるとか、そういうことが可能であるというふうには思っておりません。しかし、その中で現在あるさまざまな公共施設の位置関係なども十二分に踏まえまして、どこはどういった点について重視をしていくまちづくりをやっていけばいいかということを、それぞれの地域について考えていっているのが、今、この立地適正化計画であるというふうに考えております。 また、この計画を策定する中で、それぞれの誘導区域という所の中については、さまざまな助成も有利に受けることができるわけでございまして、ですから、何か現実にある人のきずなであったり、地域のきずなを無視した計画をつくるということではなく、その点、市民の皆様方への御説明というものにも十分に配慮をして、この計画を策定していきたいというふうに考えております。 続きまして、六次産業のほうなんですけれども、私もその直売所だけをつくって運営することというのは相当困難であろうと。とりわけ、それを公共が直営でやるということも難しいですし、そもそも後継者の皆様方がなかなか地元にいなくなっているということの中で、農業がしにくくなっているわけでございますから、その皆様だけで何か新しいビジネス展開をどんどんやってくださいということは困難であると思っております。 ですが、一方で、檜垣ですとか、和爾ですとか、地元で営農組合を本当に活発にやっていただいている所もある。ですから、そういった法人化の取り組みということは全面的に我々も協力をさせていただきながら、しかし、ここという部分であれば、企業も一緒になって六次産業を見出していけるのではないかというのが、地方創生の交付金を活用して見えてまいりましたんで、じゃあ、本当にどういった手法であれば、そういった六次産業についても実現していけるのかを、今後、事業方法について検討していくべき段階だというふうに思っております。 本市の一つの特徴といたしまして、地元で雇用をつくるということが非常に求められている反面、準工業地域がもうほとんど残っていないというところがございます。ですので、なかなか大規模な工業などを誘致することが難しい。そういった中で、現実を見てまいりますと、車の集積であったり、物資の集積であったり、面積は非常に取るんだけれども、そこで雇用がないというような開発が進んでしまっているのは事実でございます。それが周辺の農業環境あるいは住環境にとって、必ずしもどうかと。 それは私もそういう形の開発を否定するわけでは決してないわけでございますけれども、しかし、今回、六次産業ということについて最適地とされました櫟本一帯のエリアで、条件によっては協力することもやぶさかではないというふうに、地権者の皆様方が相当多くおっしゃっていただいている中で、どういうやり方であればこういった六次産業の一大集積地ということも考えていけるのかということを、先進地の事例なども参考にしていきながら検討してまいりたいと。 当然、区画整理でありましたり、あるいは農地の集積ということになれば、一定程度の公費の部分も出てまいりますんで、それを仮に投入するということになれば、相当慎重に、その事業が、本当に実現性があるのかということについて吟味をしなければならないというふうに考えております。 そして、リフォームのほうでございます。御指摘いただきましたとおり、本市でも売り出したチケットは完売をさせていただいたというふうに、私も記憶をしております。その中で、一方、やはり相当直接の財産に対する公金の投資という要素も強くございますんで、よその町さん以外にもいろんな事例があるというふうに、今、おっしゃっていただいた中で、どういう形であれば最もその地域経済自体にとって好循環をもたらすのかということをきちんと検証させていただければというふうに存じます。 ○議長(大橋基之議長) 荻原文明議員。 ◆十四番(荻原文明議員) 三回目、最後の質問をさせていただきます。 立地適正化計画については、結局、地域公共交通のネットワークをいかにしてつくるかというのが、結局は適正化計画を実践する場合でもそうですし、従来のまちづくりを進める場合でも結局そこがかなめになるのではないかというふうに思うんで、そこで、先ほど申し上げたように、住民の交通権というのをきちんと権利として定めた上で、それを踏まえて地域の公共交通ネットワークを作っていくということが大事ではないかというふうに思います。 それから、先ほどの地域経済の振興をいかにしてするかという問題や、あるいは六次産業化の問題でも、結局、天理市の地域経済をいかにして、地域経済振興条例を作成する場合もそうなんですが、いかにして振興していくか、発展させていくかということについて、一つは地方自治体としてできることはごく限られたものだというふうに思います。企業が所得を上げていったり、市民が所得を増やしていくというのは、天理市だけでできるもんではありません。しかし、市民の消費不況が長期間続く中で、やっぱり市民の所得を増やしていくということ、それから雇用の安定につながること、自治体としてできることはやっていくということが必要です。 二つ目には、社会教育や教育施設を充実させて、やっぱり将来の不安を取り除いていくということが必要です。これは社会保障関連の設備投資あるいは生活関連の設備投資というのは、経済波及効果も他のものに比べて数倍高いし、雇用も他の事業に比べてかなり多いというのが従来からいわれていたとおりで、そういう経済的な利点もあるということです。 それから三点目には、先ほど申し上げた中小企業というのは本市の事業主の大半を占めているし、雇用の大半も、市長がおっしゃるように引き受けているわけですから、そういう中小企業対策を抜本的にやっぱり改善していくという、充実させていくということが必要ではないかというふうに思います。 かつては融資事業だけ、行政としての役割といえば中小企業融資だというふうな状況の中で、最近は、市長も先頭に立たれてそういう産業政策というものもかなり充実させていただいているとはいえ、やっぱり中小企業が置かれている経営難、特にいわゆる家族でやっている家族経営の経営困難というのは、やっぱり大変なところがあるわけですから、そこに光を当てていくことということが必要だというふうに思います。 それから四点目は、やっぱり天理市役所というのは、約八百人以上の雇用者を抱える市内でも有数の事業所ですから、その市役所で働いている人で、非正規雇用が増えていくというのは、そういう地域への経済的な還元がその分少なくなる。賃金が低いですから、実際のところ。この点についても、じゃあ、全部正規雇用にすればということになれば、それは財政的な問題も起こってきますから。しかし、可能な限り、やっぱりそれは正規職員で多く雇用していくということを努力していかなければならないというふうに思うんです。 そういう自治体としての役割が限られているとはいえ、その四点に着目して今後の地域経済の振興策をつくっていくことが必要ではないかというふうに思うんですが、これらの点について最後にお尋ねいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 安心してお暮し続けていただける町であるために、地域公共交通が非常に重要だという御指摘、もう全くそのとおりだというふうに思っておりまして、やはりその限られた財源の中、どのように整備をしていくかということが非常に課題でございます。 コミュニティーバスに関しましては、市町村の枠も超えながら何か対応できないかということの中で、今、結崎駅の所を川西町のほうに本市のコミュバスが入っていきまして、柏原本線に直接つなげていくと、こういった取り組みもやっているところでございますが、今後、どれだけきめ細かい形で、このコミュバスも含めてやっていけるかというのが非常に課題であると思っております。 その中では既存の交通事業者との関係性というところも十分に配慮しないといけませんし、また、今後、九条バイパスというようなことがきちんと整備をされていけば、南北のつながりも非常に円滑になってまいりますので、そういった道路アクセスとの連携も非常に大事だというふうに思っております。 また、公共交通以外にも、買い物弱者の点についても御言及をいただきましたけれども、今、南部の街づくり協議会の中でも、非常にこのテーマを重視しておりまして、移動販売の拡充と、このエリアをもっともっと増やして、場所も増やしていこうと、こういった取り組みも、今、やっているところでございます。 そして、続いての中小企業あるいは家族経営の事業者様へのサポートということでございますが、これが町の本当に経済を支える主体であるという認識に立って、金融円滑化のみならず、経営、財務、人材育成、販路開拓、創業支援、これら、もう全ての分野において商工会の皆様とも緊密に連携をしていきながら、私どもとしても取り組んでいきたいというふうに考えております。 そして、生活関連の設備投資というところでございます。これについても限られた財源にはなってまいりますけれども、これから想定をされますさまざまな事業でございますが、やはり、今、現在、山の辺小学校の体育館の改修というのをやっておりますけれども、学校関連の安心・安全・快適性の確保でありましたり、あるいはクリーンセンターというような生活関連のものが今後数年間相当続いていくというふうに認識をしておりまして、持続可能な財政運営の中でしっかりとこの天理の生活に密着した必要な設備投資というのは行っていきたいと考えております。 また、市役所内の正規職員をということでございます。私の認識としては、今、職種を問わず本当に市役所の職員の皆様それぞれの分野で大変ご活躍をいただいておりまして、日々、私としては頭の下がる思いでございます。今後、市役所の事業をできるだけ効率化して、あるいは働き方改革も進め、また部署による忙しさというのもの平準化をしていきながら、なかなか経常収支比率の関係で人件費を右肩上がりにするということは難しいわけでございますけれども、皆様方に充実してやりがいを持って働いていただける職場環境の実現に向けて努力をしていきたいと、かように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 次に、十八番、鳥山淳一議員。     〔十八番 鳥山淳一議員 登壇〕 ◆十八番(鳥山淳一議員) それでは、議長のお許しをいただき、一問一答方式にて質問を行います。理事者を初め、関係各位の御答弁をよろしくお願いいたします。 件名につきましては、市のさらなる発展に向けて、次の二点をお聞きしたいと思います。一点目は農産業振興に係る市の第六次産業推進について、二点目は市内産業・企業誘致の推進についてでございます。 まず一点目、農産業振興に係る市の第六次産業推進でございますが、このほうは先の同僚議員の質問と重なってくるところが多くあるかと思いますが、御容赦お願いしたいと思います。 本市は、本当にそれぞれの地域で特色ある品質の高い農作物をつくっておられます。全国的な傾向でもあると言えますが、多くの生産者の皆さんは、後継者不在や生産コストの問題などで不安を感じられておられます。 地域農業の将来を考えるとき、一つは生産コストの削減、経営の多角化、役割分担の明確化等が挙げられるように思います。単独で農業を営むより組織化することを求めておられる方が大変多いように思います。 たまたまですが、市内の個人で農作物をつくり、そして加工を行い、それを販売している方からお話をお聞きすることがありました。第六次産業に早くから関心を持っておられた方なんですが、今、つくっている物をここまでにしてきたことや、生産してきた物を大切に思うので続けてやっていきたい。しかし、後継者がなかなか出てきませんということ。そして、今の中では流通の面が大変難しくなってきているということをおっしゃられておられました。 このような点から、本市の農産業振興の今後の展開を考えるときに、農業法人の組織化の支援などについて、どのような方向で考えておられるのかお聞きしたいと思います。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいまの鳥山議員の御質問にお答えをさせていただきます。 市内の営農組織の状況でございますが、集落単位で組織をいただいております主な団体として、南檜垣営農組合、和爾営農組合、下山田営農組合、北檜垣営農組合の四組織がございます。それぞれの集落の農業、農地、農環境を守るとともに、新規作物の栽培や加工・販売にも非常に熱心に取り組んでいただいております。 このうち設立十一年目を迎えていただいております南檜垣営農組合の皆様方は、市内でいち早く法人化まで実現をされまして、昨年のブランディング事業の中では、青大豆、こちらを活用した豆乳の生産を従来からやっていただいているところを、パッケージやデザインも一新されまして、今、都市部への販路拡大も含めて、市と非常によく協力をしてくださっております。 あるいは、和爾の営農組合皆様方も昨年に法人化をされまして、一層の組織強化を図るとともに、地域の特産品でありますマコモダケを初めとする特産品の販売促進を積極的に行っていただき、六次産品ということになりますと、同じく櫟本校区の事業者様と連携をして、商品を開発され、あるいは近畿大学とも連携をしながら、このマコモダケを活用されております。北部の街づくり協議会や、あるいは地元主導の活性化協議会とも緊密に連携をしていただいております。 これらは一例ではございますけれども、やはり個々の農家の皆様方が組織化されることによって、より幅広い活動が可能になり、そして営農の効率化、販路の拡大、経営継承への可能性が広がると考えております。 南檜垣などでも新規の農業従事者に地域内の方がなられるというような事例も出てきていると承知をしております。 現在、農水省では集落営農の組織化、そして法人化に対して、それぞれ補助金も交付されるという制度がございます。市としてもこれらの活用を積極的にやっていき、また、奈良県、JA等と連携していきながら、この組織化・法人化も進めていきたいと考えておりますし、また、今、営農組合の皆様方とは、営農組合の枠を越えた横断的な協議会、こういったものもつくれないかというお話をさせていただいておりまして、私どもとしても全面的に協力をしていきたいと、かように考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 動いていることを、今、お聞きして、また、このことを伝えていきたいと思うんですが、奈良県のほうでも、六次産業化サポートセンターというのを開設しておられます。昨年度で約百件の問い合わせが、このサポートセンターのほうにあったというふうにお聞きしていますし、実際に電話をしてお聞きしたんですが、かなり興味を持ってやっておられる方も数件あるというふうな回答をいただきました。 奈良県のデータなんですが、二〇一四年、奈良県のほうでいわゆる農業生産関連事業のデータをとったところ、加工、直販、観光農園といった点で調べられたんですが、加工についても事業体数が全国で四十二位という奈良県の数字なんです。それにかかわる雇用という部分で、従業員数も四十五位という数字でございました。 直売所につきましても全国四十三位という数字が出ております。従業員数も同じく四十三位という奈良県の数字でございます。 観光農園につきましても、私は、観光農園のほうは県内少しはあるかなというふうに思っておったんですが、これも全国で三十六位、従事者数が四十位という数字でございます。 農家民宿に至りましては、全国で事業体数が四十四位、それにかかわる従業者数も四十五位という数字でございます。 この数字なんですが、やはり奈良県のほうがこの第六次産業について取りかかりが幾分遅れているといった結果ではないかと思います。そういうところから、本市が櫟本エリアで行っていこうとされている取り組み、事業は大変大きなものがあるように思います。ぜひとも、この部分を成功裏に導いていただけたらと思うところなんです。 この六次産業につきましては、先ほど同僚議員のほうへ御回答いただいておりますので、私のほうは同じようなことは、もう割愛させていただきたいと思うんですが、一点だけ、いわゆるこれからの計画というんですか、先ほどお聞きしたところ、基本計画策定ということに向けて、今、動いておられるということなんですが、大体、その見通しというんですか。めどというんですか。そういったものが今時点でございましたら、お聞きしたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) 今、六次産業について、るるデータとともに御紹介いただきましたんで、せっかくの機会に私も最近の市内の動きを御紹介させていただきます。これまで加工品を扱っておられた事業者さんが、地元の農家と連携をして新商品をつくるという流れが出てきたり、あるいは市内の農産品を県のオーベルジュのような所で活用をしていただく。これを行政のほうも仲立ちをするという流れも出てまいりました。 そして直販所、これも奈良県がなかなか弱いという御指摘でございますが、今、県・市連携のもとで進めております国際芸術家村構想の中には、農村交流施設と、そして直販施設というものが検討されておりますので、ぜひともこの芸術家村を、芸術によるまちづくりとともに地域の豊かな農業を守って、そして発展させていく事業となるように、私どもとしても動いていきたいと考えております。 そして、櫟本のほうにおけます事業でございますが、これまでの状況といいますのは、まず仮に、営農というのは、先ほど来、南檜垣のことなんかもだいぶ述べさせていただきましたけれども、地域の中に中心的に動いていただく方が必要であると。なくして、なかなかその集落ごとの営農というのは難しい。ですから、相当大きなエリアの所で、もう結構多くの方がこれから農業を継続していくのは難しいよというふうになっているところで、いきなり営農のところまでギアを切りかえていただくというのは困難でございます。そんな中、企業とも連携をしていきながらやれる可能性がある場所はどこでしょうかということを、まず検討していきましたところ、交通アクセスや地形、その他から櫟本エリアが最適地だというのが、選ばれたのが第一段階でございました。 じゃあ、仮にその六次産業、営農を続けたい方は集約化していきながら、あと空いてきた所に園芸、高付加価値の農産品を集積させたり、あるいは加工場をつくったりというような構想が進んで行く場合、それに協力する御意向はありますかということを問い合わせて、そして、やはり中には自分の先祖代々の所で継続して農業をやりたいという御回答もありましたけれども、相当多くの方々が、条件が合えば協力をしてもいいよというふうな御意向が確認できたというところまでが現状でございます。 しかし、ここから基本計画というようなことも、先ほど申しましたけれども、全国いろんな所で事例がございます。どういう事業方法、区画整理でやるのか。あるいは農地の集約でやるのか。あるいは企業をどういう形で協力関係をつくっていけばいいのか。地元に協議会をつくっていただいたところに、その企業さんと何か連携するような形をつくっていくのか。相当多くのケースがございますので、まずは各自治体がどのようにこの六次産業団地に向けて取り組んでいっているのかというようなことを、今年度十二分に吟味をさせていただきまして、その上で基本計画の策定というところに向かっていければというふうに思っております。 まずは、その事業手法、どういったケースがあり得るのか。そして、基本計画策定に協力していただくような事業者を募集する場合、どういったあり方が最も公平かつ適当であるのかを検討するのが今年度であると思っております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。 ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 ぜひとも、基本計画策定のほう、取り組んでいただいて、いわゆるこのプロジェクトを待っている方もたくさんおられると思いますので、進めていただけたらというふうに思います。 次に、市内の企業誘致の件についてですが、本市は西長柄のほうに木材団地が幾つか、木材団地、木材の工業生産加工をしている所が幾つかございます。最近、やっと大きな企業としては、約五年ほど前ですが福住工業団地に、いわゆるパレット製造工場三甲がやっと来てくれたという状況にあります。 現在、奈良県では、さらなる経済の活性化や、雇用の創出を図るため、京奈和自動車道及び西名阪自動車道周辺関係の大和郡山市、川西町、三宅町、田原本町、そして本市天理市関係五市町で工業ゾーン創出プロジェクトを進めておられると思います。京奈和自動車道、そして西名阪自動車道周辺の工業ゾーンとして、南六条の工業ゾーンの今後の進捗、今の時点でどのようなものであるか、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) ただいまの工業ゾーン創出プロジェクトについての御質問でございますが、平成二十七年度から、奈良県と天理市が連携をして企業誘致を行い、産業振興及び雇用の創出により、地域はもとより市全体の活性化を図るための工業ゾーンの創出の検討を進めております。 御案内いただきましたとおり、京奈和自動車道・郡山下ツ道ジャンクションが平成二十七年三月に開通をいたしまして、また本年六月に、この郡山下ツ道ジャンクションまでのアクセスを大幅に改善する名阪側道の供用開始が実現をいたしました。南六条東地区は交通の要衝として優れた立地環境にあることから工業ゾーンの候補地であるというふうに考えております。 これまでの進捗でございますが、まず地元の自治会と、そして地権者の皆様方に説明会を開催いたしまして、県と事業内容の説明、あるいは意向調査アンケートの実施を行いました。その後、第二回目の地元説明会を開催いたしまして、意向調査アンケートの結果報告、あるいは問題点の整理等の説明を行い、今、本事業に対する御理解を図っているところでございます。 今後でございますけれども、やはり営農の継続等地権者の皆様の意向調査の結果を十分尊重する必要があると考えております。その中で、どういうかたちであれば土地を一定程度集積し、そして企業立地が可能な状況にまで持っていけるか、本事業に対する理解を求め、可能なところから順次事業を進めていければと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 鳥山議員。
    ◆十八番(鳥山淳一議員) ありがとうございました。 先ほどの第六次産業も含め、そしてこの工業団地の件は、天理市の将来を大きく発展させてくれる二つ、双璧じゃないかなというふうに捉えてているところなんです。もう、今、おっしゃっていただいたとおり、大変アクセスのほうがよくなっていますし、いわゆる名阪側道の利点も大きいかと思います。これ以上の立地条件がそろった所というのは、県内でもきっと少ないんではないかなと思います。 これから幾つかの規制緩和の部分が出てくるかと思うんですが、本当に今、おっしゃっていただいたように、形あるものにまずしていくことが大切ではないかと思いますので、できるところから進めていただく、そして本市の雇用、それから財政へのプラスを期待できるような、また市民に公表できるようなものをご発表いただけたらというふうに思うところでございます。 ありがとうございました。 これで私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 次に、十三番、今西康世議員。     〔十三番 今西康世議員 登壇〕 ◆十三番(今西康世議員) 議長のお許しをいただきましたので、ただいまから一括質問方式で一般質問をさせていただきます。 まず、児童虐待についてですが、先月八月十七日の朝日新聞に児童虐待一八%増、十二万件と大きく掲載されていました。 全国の児童相談所が二〇一六年度に対応した児童虐待の件数は十二万二千五百七十八件で、前年度より一万九千二百九十二件、一八・七%増えました。統計をとり始めた一九九〇年度から二十六年連続で過去最多を更新し、厚生労働省が十七日に速報値を発表しました。 一五年度中に虐待で亡くなった子供は八十四人いたとの、死亡事例の検証結果も公表されました。無理心中を除くと前年度より八人多い、五十二人でした。二割ほど高い増加率は三年連続です。 厚労省は、子供の目の前で親が配偶者に暴力を振るう面前DVを警察が積極的に通告するようになったことや、社会の意識の高まりによる通告の増加が背景にあると見ています。 虐待の種類別だと、暴言や脅かしなどで、面前DVも含む心理的虐待が六万三千百八十七件で最も多く、前年度より一万四千四百八十七件増えて、全体の五一・五%を占めました。都道府県別では大阪が一万七千七百四十三件で最多です。東京の一万二千四百九十四件、神奈川の一万二千百九十四件が続いています。 虐待件数は、住民や警察などからの通報や、相談を受けた児童相談所が、十八歳未満の子供への虐待と判断して対応したものをまとめたものです。 また、児童虐待の中にはいじめもあります。身体への直接攻撃のように、暴力によって肉体的な苦痛を与えるもの以外にも、仲間外れ、無視、相手が嫌がることをしたり、させたりするなど、心理的ダメージを与えるものもあります。 法務省の人権擁護機関が調査、救済を行う人権侵犯事件においても、学校におけるいじめ事案は三千件を超える高水準で推移していることからも、いじめが重大な社会問題であるといえます。 一方、一五年度に無理心中以外に虐待で死亡が確認された五十二人の年齢は零歳児が最も多く三十人で、このうち月例零カ月が十三人、全体の八割の四十二人が三歳までに亡くなりました。加害者は実の母が二十六人で最も多く、実の父が十二人、実母と実父が五人でした。同機は複数回答で「保護を怠った」が八人、「しつけのつもり」また「子供の存在の拒否・否定」そして「泣き止まないことへのいら立ち」がそれぞれ五人でした。また「予期しない妊娠だった」とした実母は十八人で、三四・六%に上りました。 関係機関が何らかの支援をしていたのに防げなかったケースは、件数ベースで四十八件中三十七件で、七七・一%もありました。このうち、十七件は虐待の疑いがあると認識していたそうです。人数別では児童相談所が十六人、市区町村が十九人でした。 また、今回の検証では、初めて自治体が死因不明や事故の可能性などを理由に虐待死と判定しなかった疑義事例も調査・報道などから対象とした十二人のうち、八人は虐待死だったと判断し、死亡事例に含めました。 死亡事例を検証した専門委員会の委員は「予期しない妊娠による虐待死が多く、妊娠期から切れ目のない支援が必要」と指摘しています。児童相談所や市町村の職員体制の強化や技術向上が求められているということにもなります。 天理市でも以前、同じような事件が起こりました。児童虐待はどんなことをしても社会全体で早急に解決すべき問題です。平成十六年十月には児童虐待を早期に発見・対応し、児童虐待そのものの発生予防を強化するために、児童虐待の防止等に関する法律が一部改正され、虐待を受けたと思われる児童にまで通告義務が拡大され、通告先も市町村の窓口にまで拡大されるようになってきました。このように市行政の役割はますます重要となってきています。 また、特に学齢期前の年齢段階にある子供たちと接することの多い保育園の保育士や幼稚園の教諭は、被虐待の子供の早期発見と、その子供の家庭への対応という面で、ますます重要な役割を果たすよう求められてきています。 児童相談所はもちろんですが、市の対応も役割も大変重要になってきています。そこでまず一つ目、天理市の虐待についての考え方、二つ目、児童養護施設、里親ファミリーホーム、障害児入所施設、一時保護委託先、一般家庭での虐待の実態、取り組みなどについてお伺いいたします。 また、今日に至るまでの虐待件数については、どのような推移をしていますか。全国調査では過去最高件数になりましたが、天理市はどうですか。お伺いいたします。 続いて、子育て支援についてですが、全ての子供が健やかに成長することができる社会の実現を目指して、平成二十四年八月に子ども・子育て支援法という法律ができました。この法律と、その他の関連する法律に基づいて、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援を総合的に推進する子ども・子育て支援新制度が平成二十七年四月からスタートいたしました、この制度では、消費税率引き上げによる増税分を活用して、子育てを社会全体で支えますという内容です。支援の量を拡充するとして、必要とする全ての家庭が利用できる支援を目指しています。また、支援の質の向上を目指し、子供たちがより豊かに育っていけるような取り組みなどが考えらえています。 それぞれ地域によって状況は違うものの、法律や制度などは少しずつ整ってまいりました。しかし、実際、子供を育てるお母さん、お父さんの中には不安がいっぱいの人もいます。そんなことから、なかなか保護者教育を受けられないというか、本来、保護者教育を受けさせたい人、保護者教育を必要とする人に対して、保護者教育をする方法はないものかと思います。子どもを預けたり、迎えに来たりはするけれども、親の会や保護者会にはなかなか出席してもらえないという現実があります。子育て勉強会に、本当はこの人にこそ来てほしい、話を聞いてほしい人が帰ってしまうのと同じことで、難しいかもしれませんが、子育てに一番大切な幅広い保護者教育を何とか充実させてほしいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 次に、女性の社会進出についてですが、女性の社会進出における日本の現状について、世界経済フォーラムが毎年発表しているグローバル・ジェンダー・ギャップ・レポートによれば、女性の社会進出度の評価における二〇一二年度の日本総合ランキングは、百三十五カ国中、百一位です。これは先進国の中で非常に低い水準であり、二〇〇六年からの推移を見ても下降傾向が少なくとも改善されていないことがわかります。 会社の取締役における女性比率の国別比較によりますと、日本企業における女性の取締役比率はわずか一・四%にとどまっており、欧米諸国に比べて突出して低いことがわかります。アベノミクスで女性の社会進出が促されていても、まだまだ男女平等とは言いがたく、進出を阻んでいる環境や制度などがあります。 現状では、日本における女性の社会進出は非常に遅れています。それゆえ、指導的地位における女性の占める割合引き上げ、また、女性役員の登用など、国を挙げて女性の社会進出を支援しようとしていますが、いまだになかなか進んでいないのが現状です。 反対に先進国の中では、ドイツの女性の社会進出率が高く、出産後の社会復帰も容易になっています。 管理職の割合も低く、他国と大きな差をつけられています。国がこんな状況なので、県や市はなおさらということになってしまいますが、県は各分野の女性を集めて、奈良県と全国の比較など、たくさんの資料をもとに幅広く女性の意見や考えの場を、女性活躍促進会議という形でスタートされました。会議では活発な意見がたくさん出され、大変内容の濃いものでした。 天理市も女性行動計画を立てられ、随分時間も経過いたしましたが、目標数値なども含め、現在までの状況を把握された上で、どのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 また、先般、市在住の女性にアンケート調査をされましたが、回収率等を含め、わかっている範囲を教えていただきたいと思います。 以上、よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。     〔市長 並河 健 登壇〕 ◎市長(並河健) ただいまの今西議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、児童虐待についてでございますけれども、児童虐待には、大きく分類いたしまして、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト及び心理的虐待、この四つに大別をされます。また、児童虐待は現存する被害であるだけでなく、被害を受けた児童が成人して親となったときに、今度は残念ながらみずからが加害者となってしまうこともあるなど、被害が将来に連鎖することも深刻な問題であると考えておりまして、家族あるいは地域のあり方、そして経済・社会問題、こういったものが複雑に絡み合っている問題であると認識をしております。 次に、児童虐待により保護者のもとから保護された児童の養護についてでございますが、本市の特性として、児童虐待により保護者のもとから保護された児童の社会的養育の中核、こちらを市内の社会福祉法人に広く担っていただいております。加害者となった、あるいは加害者となりかねない親に対する心理ケアプログラムを実施する民間団体が積極的に活動されていること、そして行政部門に加えて、民間部門による支援が手厚く行われている、こういった点が本市の特徴として挙げられると考えております。 そして、市の児童虐待の状況でございますが、長期化するものや、一度終結したというふうに判断されても再び問題となるものなどによりまして、対応中の件数が増加をしております。対応件数は、平成二十七年度は二百四件でありましたのに対し、平成二十八年度は二百十一件となっております。 最近の、この対応件数急増の背景には、児童虐待という問題の認知度が高まることによりまして、これまでに見過ごされてきたようなケースの掘り起しにつながっている、そして通告・相談の件数が増えているということも背景にはあると考えております。ただ、いずれにいたしましても、非常に複雑な要因が絡んでいる問題でございます。児童の未来にとって極めて重要な課題であると考えております。 その中で、保護者教育についても御質問をいただいたわけでございますけれども、子育て支援策に関して保護者教育の皆様方への情報の提供、充実に関すること、これは非常に重要でございます。 本市における児童虐待の多くが家庭生活内で発生をしております。児童虐待防止策として即効性のある行政の対応、これには困難もあるわけでございますが、児童虐待の防止策として、遠回りではありますけれども、親子間の愛着の形成や親の養育能力の向上、孤立した子育ての解消、こういったものを地道に積み重ねていく必要がございます。 切れ目のない子育て支援の拠点として、子育て世代すこやか支援センターはぐ~るが、この春にオープンをいたしました。こちらでは、同じ母親の先輩の視点からさまざまな助言を行い、サポートを行うドゥーラの皆さんによるサロン、そして各種の子育て教室を開催しております。また、今年度からは、おにいちゃん、おねえちゃんになった子供の赤ちゃん返りに備えた教室、こういったものも開催をしております。 また、公民館などで開催しております出前保育、こちらは終日子育てに向き合う親御さんが外出により気分の転換を図れるようにということで実施をしております。 今後も、こうした取り組みを継続し、発展させていき、そして、教室などで出会っていただく親同士の交流も今まで以上に促進をしていきたいと考えております。 また、こういった教室や保護者会等に参加されない方であっても、はぐ~るでは電話でもさまざまな子育てに関する相談を受け付けております。今後も、さまざまな皆様に御利用いただけるよう、はぐ~るの広報・周知も続けてまいります。 さらに、民間の子育て団体・サークルの皆さんが、天理駅前広場などで開催する各種の行事・イベントも、孤立した子育ての解消に向けて非常に有効であると考えておりますので、こういった皆様方と緊密に連携をしていくとともに、市内に四カ所ございます民間の地域子育て支援拠点とも、できる限り情報連携していきながら、地域の資源を活用して幅広く支え合える子育て支援というものを進めていきたいと考えております。 続きまして、女性活躍についてでございますが、政府においては二〇二〇年までに指導的地位に占める女性の割合を三割にするとの目標を掲げ取り組みを行っているという点は、先ほど議員からも御紹介があったとおりでございまして、二〇一六年四月以降は女性活躍推進法が完全施行となり、女性活躍というものが新しい段階に入っていくというふうに考えております。 本市におきましても、平成十八年に策定いたしました第二次天理市男女共同参画社会づくり計画が、各種審議会等への女性委員の登用数を三割とし、取り組みを進めてまいりましたが、平成二十八年度の女性委員率は一九・八%と、いまだ目標に届いていないのが現状でございます。 本年三月に策定をいたしました第三次の天理市男女共同参画社会づくり計画においても、引き続いて、この登用目標を三割とし、女性委員がゼロの審議会の解消も目標に掲げております。 本市における男女共同参画の総合的かつ効果的な推進を図るために設置をしております天理市男女共同参画推進本部会議でも、これらを重点取り組み事項といたしまして、そして、やはり各種委員の選出母体となります各種団体等に対しても、女性の皆さんの積極的な登用を促すなど、引き続き理解を求め、この審議会委員等への女性の割合増というところに向けて取り組んでおります。 そして、議員御自身、御出席いただいております県の女性の活躍促進会議におきましても、女性の就労に関するさまざまな問題の解決が重要課題であると捉えられておりますように、やはり女性活躍促進を進めていくためには、就労支援が必要であるというふうに考えております。 今回、私どもは総務省主管の地域の人事部戦略策定事業、こちらで基本情報を得るために、平成二十九年四月十日現在の十八歳以上、七十五歳未満の女性の市民の皆様を対象にアンケートをとってまいりました。女性の活躍に関すること、そして市内の事業所の皆さんを対象にした雇用ニーズアンケート、また、市内のボランティア団体へのヒアリング等から構成をされております。 アンケート結果については、現在、集計・分析を行っている最中でございますが、女性の活躍に関するアンケートは送付数約二万三千に対しまして、相当問題数が多く手間もかかったと思うんですけれども、約五千名を上回る皆さんから回答をいただきました。地域及び年齢階層も、あまりばらつきはございませんで、均等な回答を得られていると認識をしております。 やはり、働いておられない皆さんの就労については、介護・子育てが就労の際の懸念事項であるというふうに考えております。 また、特技や得意分野を生かしたいと考えておられる女性の皆様も多く、福祉や介護、育児・子育ての分野において資格を持たれている方もおり、まだまだ市内には活躍の場を待っていらっしゃる皆さんが多数おられると考えておりますので、こういったアンケート結果から上記の点も含めて分析を行い、地域人材の育成・活用戦略を市役所横断的に、そして関係の御団体、そして女性がさらに社会に進出しやすい仕組みを構築するために、市内の事業所の皆様とも連携をしてきながら、女性の活躍の場を就労、そして地域活動の双方において拡大をしていきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 今西議員。 ◆十三番(今西康世議員) 親元を離れて施設などで暮らす子供への施設職員や里親らによる虐待が二〇一四年度に六十二件あり、八十六人が被害に遭っています。 天理市でも先ほど市長が答えられましたように、児童虐待対応件数は二百十一件ということで御答弁いただきました。内容一つ一つについてはよくわかりませんが、大変な数字だというふうに思います。 厚労省は先月、就学前の子の受け皿の七五%を里親とファミリーホームにする新目標を掲げましたが、有識者会議は虐待防止の国の指針が不十分として、これについては改善を求めています。 一四年度の施設などでの虐待、六十二件の内訳は、児童養護施設などで四十二件、里親やファミリーホーム、八件、それから障害児入所施設などで十件、一時保護委託先で二件、この数字は厚労省が八月十七日、有識者会議で初めて実施した分析調査の結果を公表したものです。 また、有識者会議は二〇〇九年から二〇一三年度の事例を分析しました。自治体が虐待と認定したケースは、五年間で計三百二件ありました。自治体への通報件数は千百十七件で、七割が虐待ではないとされていました。通報者の三二・四%は子供本人、二九・六%は施設職員や里親自身で、分析結果は虐待を訴えた側との差が大きいと指摘し、虐待としなかった根拠の検証が必要であるとしました。 児童虐待問題に詳しい関西大学の山縣文治教授は、「施設や里親では虐待が発覚しにくい。子ども自身から相談しやすい窓口の整備などが必要だ」とされています。 関係機関がリスクの判断を誤り、小さな命を失う自体は後を絶ちません。二〇一六年一月に亡くなった埼玉県狭山市の当時三歳の女児は、厚生労働省が十七日公表した一五年度の死亡事例の検証報告で虐待死と認定した子供の一人です。浴室で冷水をかけられ、放置されて死亡しました。体重は十キロに満たず、顔にはやけどを負っていました。その後の裁判などで、母親とその内縁の夫がLINEで相談などしながら、繰り返し虐待していたこと判明いたしました。 母親は十代で妊娠し、生まれた子に乳幼児健診を受けさせていなかったり、子供の泣き声の通報が警察にあったり、虐待が疑われる情報はありました。ところが、虐待の早期発見や必要な保護のために、児童相談所や保健センター、保育所や警察などが協議する要保護児童対策地域協議会、要対協といいますが、これに上げられず、共有されませんでした。 狭山市が有識者に依頼した検証報告書からは、虐待が確認されたケースを優先し、グレーの事件をじっくり検討する余裕がなかった状況が浮かびます。当時、月一回の要対協での実務者会議は二時間ほど、扱うケースは平均四十件で、三分に一件の計算です。 要対協で検証するかどうかを市が取りまとめる段階で、各機関が市にケースを上げることを自己抑制していました。要対協は昨年五月、家庭への支援が必要とされる親子や、未成年で妊娠・出産した場合なども検討対象に含めるようにしました。 荒田雅郎子ども支援課長は、「二度と同じようなことが起きないよう、連携する機関で緊張感を持ち続け、小さな情報でも共有するしかない」と話しています。 リスクが高い事例を見逃さないために、ほかでも模索が始まっています。一二年に乳児の虐待死が二件起きた三重県では、児童相談所が一時保護の方針を強化しました。リスクを見極める独自の評価シートを一四年度に導入。理由不明の傷やあざがある、また、子供が殴られているのを通告者が見たなど、十五項目に一つでも当てはまれば、一時保護を検討、保護しない場合は理由を必ず記録しています。 県児童センターの所長は、「現場は今の痛恨の思いを抱えています。結果として虐待がなかったとしても、子供の安全を第一に考え、一時保護をためらわないことが大切である」と話していますし、まさにそのとおりだと思います。 二〇一四年度に自治体が把握した子供の虐待死事例、六十四件のうち、五割が未検証であったことが厚生労働省のまとめでわかりました。検証は、再発防止策を講じるために不可欠で、厚労省は今年度中に虐待死を自治体が検証する際の手引書をつくり、実施を徹底させる考えを示しています。児童虐待防止法は重大な虐待事例の検証を自治体に求めています。また、厚労省は一一年に全ての虐待死事例について検証するよう自治体に通知しました。手引書では検証に必要な虐待に関する情報、その収集方法、分析方法などを盛り込む見通しです。 行政機関がかかわっていなかった事例でも、どうすれば虐待リスクが高い家庭に気付けるかといった視点が重要になります。虐待を早期に発見することによって、いち早く子供や親をケアすることができ、事態を改善することができます。子供の泣き叫ぶ声が聞こえたり、いつも衣服や体が汚れている子供を見かけたりした場合は、児童相談所につながる全国共通ダイヤル、いち早く、百八十九ですが、それにかけ、通報するよう、厚労省も呼びかけをしています。 先ほどは考え方や実態、また取り組みについて聞かせていただきましたが、天理市の虐待に対する対策、早期発見の方法、また、終結とその後についてはどうされていますのかお伺いいたします。 次に、女性の社会進出のことでございますけれども、この三十年ほどで女性の社会進出の比率がぐんと高くなった分野がありました。調べていきますと、国連で働く日本人のうち、女性が占める割合がうんと上がってきました。外務省によると、全体で六割になっています。例えば、国連難民高等弁務官事務所では七割を占めています。これはなぜだろうと調べてみると、国連機関の場合、ポストが空けば公募して、性別、地域などの多様性に配慮しながら選考するようにしているからだとわかりました。また、ジェンダーバランス是正にも力を入れてきています。それでも組織任せでは男女半々が実現しないため、共通の行動計画を実施しています。このように女性登用について、いろいろ工夫されていることがわかりました。 なぜこんな例を出したのかというと、天理市では審議会に女性がゼロという審議会が結構あります。また、審議会への女性登用、仮に二〇%をクリアしても、同じ人ばかりが数字合わせに入っているという状況で、幅広く女性の意見を聞くには、なかなかほど遠い感じがいたします。 天理市には各分野に素晴らしい女性がたくさんおられます。しかし、女性を登用するには、現状では難しい感じがいたします。先ほども三〇%目標で一九・八%ということで、さっと読んでくださったんですけれども、その辺のところは、ずっとここは一緒だなと思っています。しかし、女性を登用するには、今の現状では本当に難しい感じがいたします。例えば、区長会から出るといっても、その中には女性はいません。それなら、それぞれの校区から女性を出してくればいいのではないかと言われそうですが、それはそれぞれ地域の状態から見て、なかなか難しいものです。そんな中で女性登用の方法で、何かよい方法はないかと探していると、先ほど申し上げました国連の例を見つけたというわけです。 今回の質問は審議会への女性の登用に絞って質問しておりますが、今のままの方法では恐らく何年たっても女性があらゆる審議会には入れませんし、私が前回質問させてもらった女性活躍促進に向けては、よい回答をもらっても、よい答弁をもらっても、実現にはかなりの時間を要するように思います。実際、それならどうするのという、どうしていくのかを聞かせていただきたく思います。 以上、二回目の質問といたします。 ○議長(大橋基之議長) 市長。 ◎市長(並河健) まず、児童虐待への対応と対応力の強化ということでございますが、本市における児童虐待への対応は、市の行政関係部局及び教育委員会並びに天理警察署、奈良県中央こども家庭相談センターと、そして児童家庭支援センターてんり等が連携して行っておるわけでございます。ケース管理は、これら関係機関から構成されます天理市要保護児童対策協議会において協議をしながら進めております。同協議会では昼夜を問わずお互いに緊密な連携をとるということで行っておりまして、重篤なケースでは構成機関以外の病院などとも連携しながら対応を行っております。 一方、児童虐待への対応おいて、やはり最も難しいのは、本市の児童虐待の場合は多くが家庭生活内で行われているということが多く、市行政などが過度な介入を行うことがなかなか困難な点でございます。状況に応じて、警察や奈良県中央こども家庭相談センター等の強制力を有する機関との連携も深めて対応しているところでございます。 本市では、要保護児童対策協議会でケース管理をしながら死亡に至ってしまったケースというのは、ここ数年発生しておりませんが、残念ながら昨年に発生いたしました重篤な事案をもとに、この場合、外部のアドバイザーを迎えた検討会等を実施するなど、職員の意識向上と対応力強化に努めているところでございます。 さらに、最近の児童虐待の増加を受けまして、昨年児童福祉法が改正をされました。市町村における体制の強化が求められ、本市におきましても、来年度に向けて健康福祉部児童福祉課内の家庭児童相談室の充実と専門性の向上等を検討しているところでございます。児童虐待事案の終結は、子どもの安全が確保され、支援の必要がないと判断されたときに行われるわけでございますけれども、事案の複雑さや重篤さのために、終結までの期間が長期化するケースというのが増えております。 今後も、オレンジリボンのキャンペーンなどを通して児童虐待という問題を市民の皆様にも広く知っていただくとともに、議員から御指摘いただいておりますとおり、市行政の役割がますます重要になる中で、先ほど来、述べております子育て支援策の充実に加えて、普段から子供と接する保育所、幼稚園、小学校、さらには母子手帳交付時から親子を見守り、早期発見に努めていくということが重要だと考えておりまして、そのように取り組んでまいります。 そして続きまして、各審議会への女性の皆様の登用ということでございますが、御指摘いただきましたとおり、各選出母体からの代表という形でお越しをいただいているケースが、やはり本市の審議会では多くございます。一方で、「支え合うマチ天理」ということの構築を目指していく中で、地域の女性の皆様方に御意見をいただくということが、特に教育・子育てのみならず、介護・福祉、また今後、防災、安全・安心のまちづくりの上でも非常に重要であると考えております。 各種御団体等に対して、女性の積極的な登用を促すことはもちろんのことながら、やはり女性の視点をこの各審議会に入れていくことは必要だという認識に基づいて、各会の構成についても引き続き検討していきたいと考えております。 ○議長(大橋基之議長) 今西議員。 ◆十三番(今西康世議員) せっかくこの世に生を受けた小さな命を何としてでも守ろうという強い意識で取り組んでいかなければ、虐待やいじめはなくならないと思います。いじめの解決方法の一つとして、いじめを行う子供の存在感や自尊感情を満足させるように、彼らの悩みを解消していく方法や、観衆や傍観者を含む全ての子供たちの中に、他人対する思いやりや、弱者に対するいたわりといった、互いの人権を尊重し合う豊かな心を育てていこうと熱心に取り組んできている市町村もあります。もちろん、天理市もいろいろ努力をされています。 それに最近、子供が直接被害者あるいは加害者となるような衝撃的な事件や問題が相次いで起こっています。 今は、児童の安全確保のためには、市町村の立ち入り調査の実施が可能になっています。先ほどの答弁の中で、家庭内で行われる虐待が多く、市行政の介入が非常に難しいということを言われていましたが、確かにその難しいというのを、難しいというのがわかっているために、今度は従来の立ち入り調査のスキームに加えて、裁判所の許可状も得た上で鍵を開ける。つまり解錠等を伴う立ち入り調査まで行政が行うことが可能になってきています。 そんなことから、一刻も早く虐待が発見できる方法を考えていただき、そしてよい終結に導き、その人たちが少しでもよい人生を歩めるよう、導いて欲しいと思います。 天理市で立ち入り調査をされたこともあると思いますが、これからはもっと立ち入り調査や権限についても、今まで以上にしっかりしたものになってくると思いますので、何とかよろしくお願いしたいと思います。 この九月九日には、いじめや虐待で自殺した子供の遺族の方が、子供の命や人権にかかわる問題を調査・研究する一般社団法人「ここから未来」というのを設立し、設立記念シンポジウムも開かれました。平成二十六年度からは、「全国いじめ問題子供サミット」も開催されています。それくらい、いじめや虐待で死亡したり、けがをしたりする子供が多くなったということです。 以前、天理市の中でも表に出ていない、解決していない、本気でなかなか相談に乗ってもらえない、いじめや虐待があったようです。法律も改正され、行政の担う役割も増えてきて、いろいろ大変だと思いますが、一番何もかも把握されている所でもありますので、何か起こったときはいろいろ解決策など、手の打ちようがあると思います。どうぞ、子供たちが安心して育っていけますよう、早期発見等には意欲的に取り組んでいただきますよう、お願いいたします。 もちろん私たちも、周囲の大人たちも、保護者の方々だけでなく、子供たちのサインを見逃さないよう心がけていくことが大切だと思います。 それから子育て支援についてですが、親の会、保護者の勉強会に少しでもたくさん出席してもらえるよう工夫してあげてほしいと思います。 これはきょうの朝日新聞なんですが、「PTA活動にも代行業」という、忙しい保護者がPTAに参加したいという思いで、出席を業者に頼んだという、こういう記事が掲載されていました。それについては、協議会や専門家の考えはそれぞれです。最近でこそ保護者会に男性の方が来られていることもありますが、昔は一〇〇%近く女性で、お母さんとかおばあちゃんの参加がほとんどでした。だから、男性の方々には少しぴんと来ない、その辺のところがあると思うんですけれども、子供や家庭、学校との連携等にはとても大切な会だと私は思っています。 このことにつきましては、本当に何らかの応援の手を伸ばしてあげてほしいと思いますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。 それから女性の社会進出についてですが、これに関しましては本市が平成十八年三月に策定しました第二次天理市男女共同参画社会づくり計画、先ほども市長がおっしゃっていただきました「かがやきプラン21」におきまして、各種審議会の女性委員の登用目標を三〇%にしました。そして、三〇%を目標に取り組んできたということでございますが、平成二十八年度の女性委員率が一九・八%と、既に十年以上たっていますが、やっぱり前のまま、全く進んでいないというのが現状でございます。 女性の社会進出についても、いろいろ工夫して可能になるよう、少しでも多くの女性の声が反映できるよう、お互い精いっぱいの知恵を出し合いながら、負のスパイラルではなく、プラスの連鎖になるよう、本気で真剣に取り組んでまいりましょうということをお願いして、一般質問を終わります。 ありがとうございました。 ○議長(大橋基之議長) 以上をもって一般質問を終わります。 以上で、本日の日程は終了いたしました。 なお、明日より二十日まで休会し、二十一日午前十時より再開いたします。 本日の会議は、これをもって散会いたします。                      午後二時五十三分 散会...